【編集長の視点】加賀電子は2Q決算発表を先取り業績期待を高め割安株買いが再燃し急反発

 加賀電子<8154>(東1)は、16日に11円高の2057円と続伸して引け、取引時間中には2094円まで買われる場面があり、前日につけた戻り高値を上抜いた。同社株は、今年11月7日に今2020年3月期第2四半期(2019年4月~9月期、2Q)累計決算の発表を予定しており、今年8月7日に開示した今期第1四半期(2019年4月~6月期、1Q)の2ケタ増益転換業績、通期予想業績対比の高利益進捗率着地を見直し、業績期待を高めて割安株買いが再燃した。今年12月にはタイのEMS(電子機器の受託製造サービス)の第2工場が稼働開始予定など内外で新工場が稼働を開始し、さらに同社の50億円ファンドで10月8日に戸建て住宅向けに地盤調査をするアプリケーションのクラウドサービスを主力事業とするジオサイン(東京都千代田区)に出資したことも、業績寄与期待を高めている。


■今年年末のタイEMS第2工場など内外で新工場が相次ぎ稼働

 同社の今期1Q業績は、売り上げが、前年同期比97.4%増とほぼ倍増し、営業利益が、同24.2%増、経常利益が、同21.8%増、純利益が、同17.6%増益と大幅増益転換した。今年1月に子会社化した富士通エレクトロニクスの業績が、大きく上乗せとなり、EMS事業の空調機器、医療向けなどが順調に推移したことなどが要因で、今3月期の通期予想業績対比の利益進捗率は、26%~29%に達し目安の25%を超えた。

 今2020年3月期通期業績は、売り上げ4300億円(前期比46.9%増)、営業利益70億円(同7.5%減)、経常利益70億円(同10.9%減)、純利益50億円(同37.6%減)と米中貿易摩擦激化などの外部環境の不透明化を考慮して慎重に見込んでいる。しかし、1Q業績の高利益進捗率に加え、成長戦略として今年4月にはドキドキグルーヴワークス(東京都新宿区)、LiveSmart(東京都港区)へ各出資し、今年7月にはパイオニアの製造子会社の十和田パイオニア(青森県十和田市)のグループ会社化などのM&Aを積極化し、さらに国内では須賀川工場が稼働開始することなどから上ぶれ期待も高まっている。

 とくに須賀川工場は、国内生産能力の増強のために2018年11月に着工され、海外EMS工場のマザー工場として連携を強めるもので、12月のタイ第2工場の稼働開始とともに業績を押し上げるとみられている。

■上昇トレンド転換のGCを示現し低PER・PBRの修正に弾み

 株価は、今年8月の世界同時株安の再燃が響いて年初来安値1450円まで売られたが、1Q好決算、タイ第2工場建設の好材料に中間配当の権利取りも加わって9月の2052円まで41%高、この間、25日移動平均線が下から75日移動平均線を上に抜くゴールデンクロス(GC)を示現して上昇トレンド転換を鮮明化した。足元では1900円台を固める高値調整を続けてきたが、PERは11倍台、PBRは0.73倍、年間配当利回りは2.93%となお割安である。9月の戻り高値を上抜いたここから弾みをつけ年初来高値2252円へキャッチアップしよう。(本紙編集長・浅妻昭治)

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