協立情報通信は戻り試す、20年2月期増収増益・増配予想

 協立情報通信<3670>(JQ)は、ソリューション事業とモバイル事業を展開し、ストック型モデルの強化によって高収益化を目指している。20年2月期増収増益・増配予想である。第2四半期累計は減収減益だったが、通期ベースで収益拡大を期待したい。株価は第2四半期累計業績に対するネガティブ反応が限定的で、徐々に下値を切り上げている。戻りを試す展開を期待したい。

■ソリューション事業とモバイル事業を展開

 中堅・中小企業のICT(情報通信技術)化実現に向けたソリューション事業、およびドコモショップ運営のモバイル事業を展開している。19年2月期セグメント別売上高構成比はソリューション事業31%、モバイル事業69%、営業利益構成比はソリューション事業80%、モバイル事業20%だった。

 ソリューション事業は、NEC<6701>、NTTドコモ<9437>、オービックビジネスコンサルタント<4733>、日本マイクロソフト、サイボウズ<4776>の主要パートナー企業5社の製品・サービスを融合し、情報インフラ、情報コンテンツ、情報活用の3分野に対応したワンストップソリューションの「経営情報ソリューションサービス」を提供している。

 体感型フューチャーラボの情報創造コミュニティーにおいて、製品活用体験セミナー、フェア、イベント、システム導入相談会、教育サービスなどを提供していることも特徴だ。情報創造コミュニティーを活動の中核として「Kic-Microsoft 365 Business 活用サポートサービス」も提供している。

 19年7月にはサイボウズ オフィシャル ゴールドパートナーに認定された。またOBCパートナーアワード 2018-2019 New Value Awardを受賞した。19年8月には商工中金とビジネスマッチング業務委託契約を締結した。

 モバイル事業はNTTドコモの一次代理店であるティーガイア<3738>の代理店として、ドコモショップ6店舗(東京都内2店舗、埼玉県内4店舗)を運営し、個人向けモバイル端末などの店頭販売、および法人向けモバイルソリューションを展開している。

 なお収益面では、ソリューション事業が企業のICT投資関連のため、3月期決算企業の年度末にあたる第1四半期の構成比が高い特性がある。

■20年2月期増収増益・増配予想

 20年2月期連結業績予想は、売上高が19年2月期比5.7%増の63億50百万円、営業利益が3.0%増の3億50百万円、経常利益が1.8%増の3億55百万円、純利益が2.3%増の2億37百万円としている。配当予想は創業55周年記念配当5円を含めて19年2月期比5円増配の年間55円(期末一括)としている。予想配当性向は27.8%となる。

 第2四半期累計は、売上高が前年同期比1.8%減の29億55百万円、営業利益が11.5%減の1億56百万円、経常利益が9.9%減の1億61百万円、純利益が9.2%減の1億10百万円だった。

 ソリューション事業は8.7%増収だが22.8%減益だった。20年1月のWindows7やWindows Server 2008のサポート終了対応案件などで増収だが、PC・サーバーなどの機器売上高の増加で原価率が上昇して減益だった。

 モバイル事業は7.1%減収だが営業黒字化した。店舗事業は新型iPhone発売前の買い控えなどで個人向け販売台数が減少し、コスト面でも販売促進費などが増加したが、法人サービス事業が6月末の端末購入サポート受付終了前の駆け込み需要が発生するなど好調に推移し、利益面で貢献した。

 第2四半期累計の進捗率は売上高46.5%、営業利益44.6%である。ソリューション事業において大型のPC・サーバー更新案件を受注しており、通期ベースで収益拡大を期待したい。

■ストック型モデルの強化で高収益化目指す

 中期成長に向けた基本方針は、情報創造コミュニティーの活性化(教育サービスメニューの開発、顧客創造力の増強、定期的なパートナー交流)、パートナー企業との共同展開の積極化、ソリューションサービスのモバイル化とインフラ・コンテンツ・教育・生産価値情報・セキュリティをキーワードとしたサービス展開としている。物販からソリューションへのシフト、モバイル事業の利益率改善など、ストック型モデルの強化によって高収益化を目指す方針だ。

■株主優待制度は毎年2月末の株主対象

 利益還元については、配当性向30~40%程度を目途に、業績に連動させて適正な配当を行うとともに、万一業績が悪化したとしても一定の水準を維持していきたいとしている。

 株主優待制度は毎年2月末の株主を対象として、保有株式数に応じて島根県の特産品を贈呈(詳細は会社HP参照)している。

■株価は戻り試す

 株価は第2四半期累計業績に対するネガティブ反応が限定的で、徐々に下値を切り上げている。戻りを試す展開を期待したい。10月16日の終値は1884円、今期予想連結PER(会社予想連結EPS198円03銭で算出)は約10倍、今期予想配当利回り(会社予想の年間55円で算出)は約2.9%、前期実績連結PBR(前期実績連結BPS1325円21銭で算出)は約1.4倍、時価総額は約23億円である。(日本インタビュ新聞社アナリスト水田雅展)

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