【編集長の視点】綿半HDは小反落も9月度月次売上高の2ケタ増に台風19号の復旧需要期待もオンして再騰有望
- 2019/10/17 09:23
- 編集長の視点
綿半ホールディングス<3199>(東1)は、前日16日に1円安の2043円と小反落して引けた。同社株は、10月4日につけた年初来安値1940円から底上げ途上にあり、目先の利益を確定する売り物に押された。ただ寄り付き段階では2068円をつけ、今年9月26日以来、1カ月弱ぶりに25日移動平均線を上回っており、下値には売られ過ぎ訂正買いが交錯した。今年10月10日に発表した今年9月度の月次売上高が、既存店、全店とも2ケタの増収となったことに加え、10月12日の台風第19号で、地元長野県の千曲川の堤防が決壊し浸水被害を起こしており、復旧需要期待を強めていることが買い手掛かりとなっている。今年10月31日に予定している今2020年3月期第2四半期(2019年4月~9月期、2Q)累計決算の発表を前に、3月通期業績が、5期連続の過去最高更新と予想されていることも見直されている。
■既存店客数は11カ月ぶりにプラス転換し全店売上高伸び率は今期最高
同社の9月度の月次売上高は、既存店が前年同月比12.4%増とプラス幅を拡大し、全店売上高は、同36.3%増と10カ月連続の2ケタ増の伸び率をさらに伸ばし、今期に入って最高の増収率と好調に推移した。寄せ植え教室の開催や生鮮食品の詰め放題など積極的なイベントにより園芸用品や生鮮食品が好調に推移し、10月1日の消費税増税を前にSNSの発信による集客や演出強化による商品訴求を強め、日用品やペット用品などの買い上げ点数が増加し、既存店も、客数が2.1%増と11カ月ぶりにプラス転換、客単価も10.1%増とプラス幅を拡大させたことが寄与した。10月以降は、消費税増税前の駆け込み需要の反動も予想されるが、台風19号の復旧需要の動向も上乗せ要因として注目される。
なお、同社の今2020年3月期業績は、売り上げ1142億4500万円(前期比7.3%増)、営業利益26億7300万円(同13.0%増)、経常利益28億1100万円(同12.2%増)、純利益16億4000万円(同1.7%増)と5期連続の過去最高更新と予想されている。配当も、年間34円(前期実績33円)と5期連続の増配を予定している。昨年11月のインターネット通販のアベルネットの子会社化以来、今年4月の茶・菓子製造販売の丸三三原商店、同5月の戸建て木造住宅のフランチャイズ事業を展開するサイエンスホームなどの積極的なM&Aを推進してグループ力が強化させ、小売り事業でもチラシの削減や商品点数を絞り込むEDLC(エブリデイ・ロー・コスト)戦略を推進していることなどが寄与する。
■PERは12倍台と相対的に売られ過ぎで年初来高値調整幅の半値戻しを目指す
株価は、世界同時株安のなか圏外に位置するディフェンシブ株人気を高めて年初来高値2576円まで買い進まれ逆行高したが、その後も続いた全般相場の波乱とともに下値を探り、年初来安値1940円まで調整した。PERは、12倍台とヒストリカル的に売られ過ぎを示唆しており、底上げに再発進し、第1目標として年初来高値から年初来安値への調整幅の半値戻しの2258円が浮上しよう。(本紙編集長・浅妻昭治)