【編集長の視点】ナルミヤは前日比変わらずで62%営業増益の個別2Q業績を見直し出遅れ株買いが継続

 ナルミヤ・インターナショナル<9275>(東1)は、前日17日に前日比変わらずの1274円で引けた。日経平均株価が、4営業日ぶりに小反落して引けたなか、同社株も前々日終値を挟んで売り買いが交錯、下値には今年10月10日に発表した今2020年2月期第2四半期(2019年3月~8月期、2Q)累計決算で、個別業績の営業利益が、前年同期比62.9%増益と大きく伸びて着地したことを見直して出遅れ株買いが継続した。テクニカル的にも、25日移動平均線が、下から75日移動平均線を上に抜くゴールデン・クロス(GC)を示現し上昇トレンド転換を示唆したとして買い手掛かりになっている。

■マルチチャンネル・マルチブランド戦略でSCチャンネル、eコマースが好調推移

 同社の2Q累計業績は、今年3月29日に男児ブランドを展開しているハートフィールを連結子会社化して連結決算となったため、前年同期の個別業績との比較はなく、売り上げ152億500万円、営業利益4億200万円、経常利益3億6800万円、純利益1億7200万円で着地した。一方、個別業績では、売り上げ147億8100万円(前年同期比11.8%増)、営業利益4億3600万円(同62.9%増)、経常利益4億1400万円(同2.09倍)、純利益2億1300万円(同4.72倍)と大きく利益を伸ばした。同社は、マルチチャンネル・マルチブランド戦略を推進し、成長するチャンネルへのシフトを強めており、ショッピングセンター(SC)チャンネルでは引き続き10店舗を新規出店(退店1店舗)し、ベビー・トドラー向けブランド「petit main」、ジュニア向けブランド「Lovetoxic」が大幅増となり、売り上げが64億2600万円(同21.6%増)、売上総利益が38億5800万円(同26.2%増)、同じくeコマースも21億800万円(同24.3%増)、11億5700万円(同30.2%増)と好調に推移したことが寄与した。

 今2020年2月期業績は、連結決算で予想し前期比較はないが、売り上げ330億700万円、営業利益17億1200万円、経常利益16億4600万円、純利益10億700万円としている。ショッピングセンターへは年間20店舗の新規出店を続け、eコマースでも、ハートフィールの連結子会社化で2QのEC化率が2.4ポイント向上したことなどが要因となる。年間配当は、今年9月の東証第1部への指定替えの記念配当3円を上乗せして34円(前期実績31円)へ増配を予定している。

■GC示現の好形チャートもサポートしPER12倍の割安修正に弾み

 株価は、昨年9月6日に公開価格1560円で東証第2部に再上場され、1501円で初値を形成し上場来高値1539円をつけたあと、世界同時株安の影響で上場来安値966円まで突っ込んだ。今年に入っては売られ過ぎとして1月4日の年初来安値1015円から今期第1四半期の高利益進捗率業績に反応して1436円まで41%高し、その後の1200円台出没場面からは東証第1部指定替え、株主優待制度の新設などを手掛かりに1429円まで買い直され、足元では25日移動平均線水準で下値を固める動きを続けている。PERは、12倍台と東証第1部全銘柄平均の14.2倍を下回り割安であり、25日線が75日円を上抜くGCを示現した好形チャートもサポートして7月高値1436円抜けから公開価格1560円奪回にチャレンジしよう。(本紙編集長・浅妻昭治)

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