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GMOクラウドは下値切り上げ、19年12月期増収増益予想
- 2019/10/28 04:43
- アナリスト水田雅展の銘柄分析
GMOクラウド<3788>(東1)は、サーバー貸出・管理サービスのクラウド・ホスティング事業、電子認証サービスのセキュリティ事業を主力としている。19年12月期増収増益予想である。収益拡大を期待したい。株価は8月の年初来安値から徐々に下値を切り上げている。調整一巡して出直りを期待したい。
■クラウド・ホスティング事業とセキュリティ事業が主力
GMOインターネット<9449>の連結子会社で、サーバー貸出・管理サービスのクラウド・ホスティング事業、電子認証サービス(SSLサーバー証明書発行サービス、企業実在性認証サービスなど)のセキュリティ事業を主力として、小規模事業者向けインターネット関連サービスのソリューション事業も展開している。
クラウド・ホスティングサービスの累計契約件数は18年12月期末時点で約10万件に達している。またSSLサーバー証明書の国内市場シェアは19年6月50%を突破した。
18年12月期の売上高構成比はクラウド・ホスティング事業43%、セキュリティ事業49%、ソリューション事業8%、営業利益構成比(連結調整前)はクラウド・ホスティング事業29%、セキュリティ事業95%、ソリューション事業▲23%だった。
■19年12月期増収増益予想
19年12月期連結業績予想は、売上高が18年12月期比10.0%増の140億15百万円、営業利益が10.0%増の15億50百万円、経常利益が4.0%増の15億50百万円、純利益が5.6%増の10億10百万円としている。配当予想は2円32銭増配の年間43円84銭(期末一括)で、予想配当性向は50.0%となる。
第2四半期累計は、売上高が前年同期比3.6%増の64億62百万円、営業利益が6.5%増の7億47百万円、経常利益が2.2%増の7億53百万円、純利益が20.6%増の6億32百万円だった。
セキュリティ事業(9.5%増収、14.8%増益)は、エンタープライズ向けが好調に推移し、新規投資に伴う人件費などの費用増加を吸収した。クラウド・ホスティング事業(1.4%減収、11.7%増益)は、従来のホスティングサービスの減少傾向が継続したが、サービス統廃合などのコスト最適化効果で収益性が改善した。ソリューション事業(1.7%増収、赤字拡大)は、電子契約サービスAgreeの顧客数が増加したが、AI・IoT関連やカークラウド事業などの新規サービスに係る費用の増加で赤字が拡大した。
通期はIoT関連の新規事業投資などで費用が増加するが、セキュリティ事業の順調な拡大で増収増益予想である。セグメント別の計画は、クラウド・ホスティング事業が0.0%減収で0.3%増益、セキュリティ事業が14.4%増収で7.7%増益、ソリューション事業が26.1%増収で赤字縮小としている。
第2四半期累計の進捗率は売上高46.1%、営業利益48.2%と概ね順調である。通期ベースでも収益拡大を期待したい。
■株主優待制度は毎年12月末時点で6ヶ月以上保有株主対象
株主優待制度は毎年12月31日時点で、1単元(100)株以上・6ヶ月以上保有株主を対象として実施(詳細は会社HP参照)している。
■株価は下値切り上げ
株価は反発力の鈍い展開だが8月の年初来安値から徐々に下値を切り上げている。調整一巡して出直りを期待したい。10月25日の終値は2706円、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS87円68銭で算出)は約31倍、今期予想配当利回り(会社予想の年間43円84銭で算出)は約1.6%、前期実績連結PBR(前期実績の連結BPS502円75銭で算出)は約5.4倍、時価総額は約316億円である。(日本インタビュ新聞社アナリスト水田雅展)