【特集】電気自動車(EV)セクターに注目!リチウムイオン電池株が牽引役

■序奏が聞こえたEV関連株は環境株人気も伴い展開部、再現部と続き上値を期待

特集

 そこで今週の当特集では、新たに音楽が鳴り始めたセクター株に注目した。電気自動車(EV)セクターである。音楽は、三部構成のソナタ形式で奏でられているように聞こえ、まず序奏・提示部は、リチウムイオン電池を開発した吉野彰旭化成名誉フェローのノーベル化学賞受賞、次いで展開部が、今年10月24日から開催中の東京モーターショー、再現部が、米国EVメーカーのテスラの黒字転換決算、株価急伸である。吉野彰名誉フェローは、受賞の記者会見でEV普及は、再生エネルギーの巨大な蓄電システムの構築を意味しCO2(二酸化炭素)を削減する環境問題のソリューションになると「ET革命」を強調し、次いで東京モータショーでは、内外メーカーが戦略的なEVを展示し、テスラは、3四半期ぶりに最終損益が黒字転換し、中国・上海市で建設していたEV新工場の稼働を開始させた。

 週明けの全般市場は、前週末の米国市場の流れを受けて半導体関連株や中国関連株の主導で買いスタートすることになりそうだが、これにダブるEV関連株も含まれており、負けずにキャッチアップすることを期待したい。

■ノーベル化学賞受賞でリチウムイオン電池関連株が牽引役

 EV関連株の牽引役は、もちろんノーベル化学賞受賞を見直すリチウムイオン電池株である。まず吉野彰氏の本籍地の旭化成<3407>(東1)が、世界シェア2割を握るセパレーターである。ニッポン高度紙工業<3891>(JQS)住友化学<4005>(東1)ダブル・スコープ<6619>(東1)安永<7271>(東1)などと続く。負極材では炭素繊維の東レ<3402>(東1)を筆頭に昭和電工<4004>(東1)日立化成<4217>(東1)日本カーボン<5302>(東1)、正極材では田中化学研究所<4080>(JQS)戸田工業<4100>(東1)新日本電工<5563>(東1)三井金属<5706>(東1)住友金属鉱山<5713>(東1)、電解液ではセントラル硝子<4044>(東1)関東電化工業<4047>(東1)ステラ ケミファ<4109>(東1)などが浮上する。2次電池用温度センサーの大泉製作所<6618>(東マ)、バッテリー部品のTDK<6762>(東1)も外せない。

 関連部品の駆動用モーターでは住友電気工業<5802>(東1)ダイキン工業<6367>(東1)三菱電機<6503>(東1)、安川電機、明電舎<6508>(東1)、日本電産などと続き、モーターコアの三井ハイテック<6966>(東1)、モーターコア回転子の黒田精工<7726>(東2)も注目される。

■バッテリーメーカー株、急速充電器株にも主力株人気

 バッテリーメーカーでは、トヨタ自動車と合弁会社設立のパナソニック<6752>(東1)のほか、ソニー<6758>(東1)からリチウムイオン電池事業を買収した村田製作所<6981>(東1)ジーエス・ユアサ コーポレーション<6674>(東1)、電池メーカーを間接保有するマクセルホールディングス<6810>(東1)が主力株人気を発揮しそうだ。

 また急速充電器では日立製作所<6501>(東1)シンフォニアテクノロジー<6507>(東1)東光高岳<6617>(東1)NEC<6701>(東1)新電元工業<6844>(東1)菊水電子工業<6912>(JQS)ニチコン<6996>(東1)などが見直され、マイコン関連のルネサスエレクトロニクス<6723>(東1)グローセル<9995>(東1)にも期待を高めよう。

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