【編集長の視点】Lib Workは株式分割の権利取りに連続最高業績の見直しがオンして急反発
- 2019/10/29 09:12
- 編集長の視点
Lib Work<1431>(東マ・福Q)は、前日28日に274円高の2444円と3営業日ぶりに急反発して引け、東証マザーズ市場の値上がり率ランキングの第4位に躍り出た。この日の前引け後に株式分割を発表、歓迎して分割権利取りの買い物が膨らんだ。また同社株は、今年11月12日に今2020年6月期第1四半期(2019年7月~9月期、1Q)決算の発表を予定しており、今6月期通期業績が連続して過去最高を更新と予想されていることも見直し割安株買いも相乗した。今年10月18日に施行事例サイト「e注文住宅net」の提供を開始し、10月19日には「サクラマチオフィス」(熊本市中央区)を開設したことも、業績上ぶれ期待を高め買い材料視されている。
■自己株式取得、上場記念の増配・優待制度に次ぐ矢継ぎ早の株主還元策
株式分割は、投資単位当たりの金額を引き下げ、株式の流動性を高め投資家層の拡大を図ることを目的にしており、今年12月31日を基準日にして1株を2株に分割する。同社は、今年6月18日に東証マザーズ(東マ)市場に新規株式公開(IPO)され、福証Qボード市場と重複上場となったが、このIPO後の8月16日に自己株式取得(9月3日終了)と上場記念の株主優待制度を発表しており、今2020年6月期の増配と並んで矢継ぎ早の積極的な株主還元策となる。
一方、今2020年6月期業績は、売り上げ82億円(前期比24.3%増)、営業利益6億9000万円(同29.6%増)、経常利益7億円(同22.0%増)、純利益4億6200万円(同18.1%増)と4期連続で過去最高業績が予想されている。熊本県、福岡県、佐賀県、大分県などを地盤にWEB集客を行う独自のビジネスモデルを展開しており、インターネット・サイト「e土地net」、「地盤チェックナビ」サイト、「平屋ナビ」サイトなどによりローコスト経営を実現し、引き渡し棟数が順調に推移していることなどが要因となる。
今回、この「e土地net」の姉妹版の「e注文住宅net」の提供を開始し、同社の施行事例写真をもとに顧客向けに理想の家づくりを支援し、「サクラマチオフィス」では、設置した複数の大型ディスプレイによりプレゼンテーション機能をフルに発揮、同社のビジネスモデルを一段と深化させるもので、業績寄与が期待されている。
■東マIPO後の2.8倍化の急騰特性を発揮し最高値奪回も一通過点
株価は、東マIPOにより独自ビジネスモデルが全国区的な認知度を高め、東マ上場後の安値1071円から再三のストップ高を交えて上場来高値3025円まで短期2.8倍化し、世界同時株安や信用規制の強化などが響いて1823円安値まで調整した。同安値からは、信用規制が解除されたことも手掛かりに売られ過ぎとして調整幅の半値戻しクリアの2548円までリバウンド、足元の25日移動平均線固めから株式分割発表でさらに2570円まで戻り高値を伸ばした。株式分割の権利取りで東マIPO後の急騰特性を発揮し、上場来高値更新も一通過点に高値チャレンジが続こう。(本紙編集長・浅妻昭治)