【編集長の視点】東証第1部指定替えのニイタカは需給好転思惑が続き高値肉薄
- 2015/4/24 09:49
- 編集長の視点
ニイタカ<4465>(東1)は、きょう24日に東証第2部から東証第1部に指定替えされて売買がスタートしたが、前日の東証第2部終値に対し31円高の1733円として続伸し、前日ザラ場につけた年初来高値1744円に肉薄している。東証第1部指定替えに際して、新株式発行などの希薄化材料を伴わないことから、指定替え後の東証株価指数(TOPIX)算入によりTOPIX連動型のファンドなどの買い需要が発生するとする需給好転思惑が続き、割安株買いが増勢となっている。
■固形燃料が大手外食チェーン店のヒット・メニュー向けに好調推移
同社株は、業績も順調に推移し、今5月期業績は、売り上げ143億円(前期比5.4%増)、経常利益8億6000万円(同9.5%増)、純利益5億4000万円(6.1%増)と予想している。原材料価格の上昇なども逆風はあるものの、業務用洗剤では、パウチ型の新製品を中心に拡販が続き、固形燃料が、吉野家ホールディングス<9861>(東1)の「牛すき鍋膳」などの大手外食チャーン店のヒット・メニュー向けに好調に推移していることなどが要因となる。
なお今年3月31日に開示した今5月期第3四半期(3Q)業績が、前年同期比4.1%増収、1.1%経常減益、15.0%増益とやや伸び悩んだが、5月通期業績対比の利益進捗率は、78%~75%と目安の75%をクリアしており、通期業績は、期初予想を据え置いた。
■PER・PBR評価はなお市場平均を下回り最高値抜けも
株価は、今期第2四半期累計業績が、期初予想を下ぶれたことで1000円大台を固める動きが続いたが、年明け以降は、同社株が、インバウンド(外国人観光客)関連株の一角に位置するとの思惑で下値を切り上げ、東証第1部指定替え承認とともにストップ高、高値追いとなっている。PERは18倍台、PBRも1.4倍となお市場平均をやや下回って割安であり、2004年9月につけた上場来高値1770円抜けから一段の上値トライも想定される。(本紙編集長・浅妻昭治)