川崎近海汽船は第2四半期好調で通期の各利益予想を増額修正

■フェリー輸送が好調、定期船輸送で運航船入れ替えなども寄与

 川崎近海汽船<9179>(東2)は10月31日11時30分に第2四半期の連結決算(2019年4~9月・累計)を発表。経常利益が前年同期比83.8%増加して13.98億円となるなど好調で、2020年3月期通期の連結業績予想(営業・経常・純利益)を増額修正した。

■株価は午後から活況高、来年1月適用の環境規制は織り込む様子

 株価は午後から活況高となり、大引けにかけて2890円(79円高)まで上げ、そのまま高値引け。戻り高値を更新した。

 第2四半期累計期間の連結売上高は前年同期比1.4%増の225.05億円となった。近海部門で運賃市況が想定を下回ったことなどにより売り上げが減少し、収支は予想をやや下回ったが、内航部門では、フェリー輸送で大型連休中の旅客と乗用車の乗船が想定を上回った。また、定期船輸送でも運航船の入れ替えが各航路で奏功したことや、燃料油価格が想定を下回ったことなどもあり、営業利益は前回発表予想を4割近く上回り、経常利益も前回予想を3割強上回る結果となった。

■親会社株主に帰属する四半期純利益は同21.2%増加し前回発表予想を5割近くも上回る

 また、船隊整備の一環として内航船1隻を売船し、固定資産売却益を計上するなどした結果、親会社株主に帰属する四半期純利益は同21.2%増加して10.86億円となり、前回発表予想を5割近くも上回った。

 海運業界では、2020年1月から世界的に適用される環境規制(SOx規制)への対応を進めている。燃料重油の切り替えやボイラー、煙突などの設備更新などに多額の先行投資が見込まれている。

 こうした中で、通期・2020年3月期の連結業績予想は、新たに使用する適合油の価格を最新の情報を基に見直した結果、燃料油価格に連動する燃料調整金収入の減少などが見込まれるため、売上高は前回発表予想を6.1%引き下げて450億円の見込みとした。

 一方、収益面では、各部門とも順調に推移するものと予想し、経常利益は前回予想を19.4%増額して18.5億円の見込みに、純利益は同45.0%増額して14.5億円の見込みに、各々引き上げた。増額修正後の通期予想1株利益は578円15銭。(HC)

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