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巴工業は上値試す、19年10月期微減益予想だが上振れ余地
- 2019/11/1 07:22
- アナリスト水田雅展の銘柄分析
巴工業<6309>(東1)は機械製造販売事業と化学工業製品販売事業を展開している。19年10月期は微減益予想だが上振れ余地がありそうだ。株価は戻り高値圏でモミ合い展開だが、自律調整を交えながら上値を試す展開を期待したい。
■機械製造販売事業と化学工業製品販売事業を展開
遠心分離機械を中心とする機械製造販売事業、合成樹脂や化学工業薬品などを中心とする化学工業製品販売事業を展開している。
18年10月期のセグメント別売上構成比は機械製造販売事業26%、化学工業製品販売事業74%、営業利益構成比は機械製造販売事業25%、化学工業製品販売事業75%だった。また地域別売上構成比は日本80%、アジア17%、その他3%だった。
収益面では、機械製造販売事業が設備投資関連のため、第2四半期(2月~4月)および第4四半期(8月~10月)の構成比が高くなりやすい特性がある。
■19年10月期微減益予想だが上振れ余地
19年10月期の連結業績予想(5月31日に売上高を下方修正、各利益は据え置き)は、売上高が18年10月期比0.4%減の422億円、営業利益が3.3%減の23億円、経常利益が1.5%減の23億円、純利益が0.9%減の15億円としている。配当予想は18年10月期と同額の47円(第2四半期末23円50銭、期末23円50銭)で、配当性向は31.3%となる。
第3四半期累計は売上高が前年同期比2.4%増の311億58百万円、営業利益が18.0%増の18億50百万円、経常利益が18.9%増の18億78百万円、純利益が21.5%増の12億68百万円だった。機械製造販売が牽引して大幅増益だった。
機械製造販売(14.7%増収・4.3倍増益)は、国内民需向け部品・修理および海外向け機械と部品・修理が好調に推移し、収益性の良い部品・修理の増収で大幅増益だった。化学工業製品販売(1.4%減収・20.9%減益)は、半導体製造用途向け搬送用商材やセラミックス製品が減少した。
通期は、機械製造販売における国内官需や海外向け案件の一部失注・繰り延べ、化学工業製品販売における半導体関連の需要減速などで微減益予想だが、第3四半期累計の進捗率は売上高73.8%、営業利益80.4%と順調だった。第4四半期(8月~10月)の構成比が高い特性も考慮すれば、通期上振れ余地がありそうだ。
■株主優待制度は10月末の株主対象
株主優待制度は、毎年10月31日現在の1単元(100株)以上保有株主に対して、ワイン(当社関連会社取扱商品)1本を贈呈する。
■株価は上値試す
株価は戻り高値圏でモミ合い展開だが、自律調整を交えながら上値を試す展開を期待したい。10月31日の終値は2360円、今期予想連結PER(会社予想連結EPS150円33銭で算出)は約16倍、今期予想配当利回り(会社予想47円で算出)は約2.0%、前期実績連結PBR(前期実績連結BPS2793円69銭で算出)は約0.8倍、時価総額は約249億円である。(日本インタビュ新聞社アナリスト水田雅展)