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カナモトは戻り試す、19年10月期増益予想
- 2019/11/6 07:04
- アナリスト水田雅展の銘柄分析
カナモト<9678>(東1)は建設機械レンタルの大手である。北海道を地盤として全国展開と業容拡大を推進し、長期ビジョンで海外展開を成長エンジンと位置付けている。19年10月期増益予想である。収益拡大を期待したい。株価は2月の年初来高値に接近している。戻りを試す展開を期待したい。
■建設機械レンタル大手、成長エンジンとして海外展開を強化
建設機械レンタルを主力として、海外向け中古建設機械販売、土木・建築工事用鉄鋼製品販売、IT機器・イベント関連レンタル、福祉用具レンタルなども展開している。M&Aも積極活用し、北海道を地盤として全国展開と業容拡大を加速している。18年10月期の売上高構成比は建設関連事業89.5%、その他事業(鉄鋼関連事業、情報通信関連事業、福祉関連事業など)10.5%だった。
18年8月建機レンタルのサンワ機械リース(北海道釧路市)を非連結子会社化、19年9月小松土木通商(石川県)を子会社化、19年10月子会社ユナイトが九州ロード(熊本県)を子会社化した。
営業拠点は、19年8月京都営業所(京都市)、小田原機械センター(神奈川県)、北広島営業所(北海道)を開設し、全国営業拠点数202拠点、グループ合計509拠点となった。
なお19年4月には豊和工業および朝日機材と共同で、作業所や工場等の作業員の作業負担軽減策として、床面の清掃作業を省力化する自律走行吸引型ロボット「AXキュイーン」を開発している。
55期の19年を見据えたグループの目指す姿を長期ビジョン「BULL55」として示し、海外展開強化を今後の成長エンジンと位置付けている。19年3月にはマレーシアに設立した合弁会社が営業開始した。
収益面では公共工事の影響を受けやすく、建設関連のため売上高が第4四半期(8~10月)から第1四半期(11月~1月)にかけてピークとなり、第2四半期(2~4月)および第3四半期(5~7月)は減少する季節特性がある。
■19年10月期増益予想
19年10月期連結業績予想は、売上高が18年10月期比4.5%増の1757億円、営業利益が4.5%増の184億円、経常利益が4.3%増の187億円、純利益が1.2%増の120億円としている。配当は5円増配の65円(第2四半期末25円、期末40円)としている。4期連続増配である。。
全国的なインフラ再整備工事、主要都市での再開発工事、自然災害復旧・復興工事など、建機レンタル需要が高水準に推移して増収増益予想である。
第3四半期累計は、売上高が前年同期比7.0%増の1338億23百万円、営業利益が1.4%減の132億29百万円、経常利益が0.6%減の135億80百万円、純利益が3.6%増の85億50百万円だった。
売上面は順調だが、重点施策展開のコスト増加などで減益だった。建設関連事業は大規模再開発工事や災害復旧工事などで7.1%増収だが、2.3%減益だった。中古建機販売は11.3%増加した。その他事業は6.5%増収、12.1%増益と好調だった。
第3四半期累計の進捗率は売上高76.2%、営業利益71.9%だった。第4四半期の構成比が高い特性を考慮すれば順調である。通期ベースで収益拡大を期待したい。
■株価は戻り試す
株価は下値を切り上げて2月の年初来高値に接近している。戻りを試す展開を期待したい。11月5日の終値は2956円、今期予想連結PER(会社予想連結EPS310円12銭で算出)は約10倍、今期予想配当利回り(会社予想65円で算出)は約2.2%、前期実績連結PBR(前期実績連結BPS2707円49銭で算出)は約1.1倍、時価総額は約1145億円である。(日本インタビュ新聞社アナリスト水田雅展)