【編集長の視点】イトーキは続落も3Q決算に期待し好形チャートを手掛かりに値ごろ割安株買いが継続

 イトーキ<7972>(東1)は、前日7日に11円安の479円と続落して引けた。ただ取引時間中は、長大下ヒゲを伸ばして下値を確認したが、大引けでは25日移動平均線を上回っており下値には割安修正期待の買い物が続いた。同社株は、今年11月11日に今2019年12月期第3四半期(2019年1月~9月期、3Q)決算の発表を予定しており、この業績期待とともに、株価がダブルボトムから大きく上ぶれてネックラインを突破、25日移動平均線が75日線を上抜くゴールデンクロス(GC)を示現するなど好形チャートを形成していることが買い手掛かりとなっている。

■「TOKYO XORK」が新規顧客を開拓し相次ぐ新製品も寄与

 同社の今2019年12月期業績は、売り上げ1230億円(前期比3.6%増)、営業利益31億円(同60.8%増)、経常利益30億円(同26.7%増)、純利益17億円(同1.5%減)と予想され、純利益は、前期計上の固定資産売却益が一巡して小幅に減益転換するが、営業利益、経常利益はV字回復を鮮明化する。これに対して11月11日発表予定の今期3Q業績が、どの程度の進捗率を示すか注目されている。

 前2018年12月期3Q業績は、物流コストの上昇や原材料価格の高騰などが要因になって、営業利益が前々同期比51.5%減、経常利益が同45.2%減、純利益が同48.1%と大きく減益転換して発射台が低くなっており、今期3Q業績への期待を高めている。また今年8月に発表した今期第2四半期(2019年1月~6月期、2Q)累計業績は、2ケタの減益と続落したが、12月通期予想業績対比の利益進捗率は60%超と目安の50%を上回って着地しており、3Q利益進捗率も注目されている。「働き方改革」のワーキングショールーム機能を発揮している新本社オフィス「TOKYO XORK」による商談活発化や新規顧客開拓、eスポーツ向けのゲーム用チェア、高耐震間仕切などの相次ぐ新製品発売の業績押し上げ効果も期待されている。

■W底から底上げしてネックラインを上抜きGC示現を手掛かりに年初来高値奪回を加速

 株価は、今年6月の年初来安値391円から売られ過ぎとして484円までリバウンド、世界同時株安の波及で再調整したが、400円で踏み止まりダブルボトム(W底)を形成した。同D底からはeスポーツ向け新製品発売や自己株式立会外買付取引実施などで再騰し、ネックラインの484円を上抜き、GCを示現して上昇トレンド転換を鮮明化した。PERはなお12倍台、PBRは0.46倍、配当利回りは2.71%と市場平均を下回って割安であり、年初来高値638円奪回が加速しよう。(本紙編集長・浅妻昭治)

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