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フォーカスシステムズは戻り試す、20年3月期増益予想で2Q累計増益と順調
- 2019/11/12 06:26
- アナリスト水田雅展の銘柄分析
フォーカスシステムズ<4662>(東1)は、公共関連・民間関連のシステム構築・保守・運用を主力として、セキュリティ機器関連事業も展開している。20年3月期増収増益予想である。第2四半期累計は増収増益と順調だった、通期は上振れ余地がありそうだ。収益拡大を期待したい。なお11月8日に第2回新株予約権の取得および消却(11月25日付)を発表している。株価は8月の年初来安値圏から下値を切り上げている。戻りを試す展開を期待したい。
■システム構築・保守・運用を主力としてセキュリティ機器関連事業も展開
公共関連・民間関連のシステム構築・保守・運用・管理サービスを主力として、セキュリティ機器関連事業も展開している。収益面では年度末にあたる第4四半期(1月~3月)の構成比が高い特性がある。また財務面では実質無借金経営である。
19年3月期の事業別売上高構成比は公共関連事業32%、民間関連事業62%、セキュリティ機器関連事業6%だった。顧客別にはNTTデータ<9613>関連、日本IBM関連、TISインテック関連、ソフトバンク<9984>関連、沖電気<6703>関連を主力としている。
中期成長に向けた重点戦略として、需要が潤沢なインフラビジネス分野における技術者の育成、ノウハウ蓄積にも繋がる運用系業務分野におけるシェア拡大、業務アプリケーション分野における専門技術への取り組み強化による対応領域拡大を推進している。優秀な人材確保への採用投資、現社員に高付加価値(最先端技術の習得やマネジメントスキル向上)を付けるための技術者への教育投資、ガバナンス強化を目的とした社内管理体制への人的投資も推進する。
18年5月一般社団法人ドローン操縦士協会(DPA)とアライアンスパートナー契約を締結、JPPVR社と共同でVR・AI・ブロックチェーン等の先端技術の研究開発を行う新会社VRaiB社を設立した。18年11月にはDPAおよび茨城県笠間市とドローン活用による連携協力協定を締結した。またFRONTEO<2158>の人工知能による特許調査・分析システムの新製品「Pantent Explorer 19」の開発に協力した。
19年2月RPA分野で米UiPath社の日本法人と開発リソースパートナー契約を締結、19年3月米MarkLogic社とパートナー契約を締結、筑波大学と三次電池の実装に関する共同研究を開始した。19年4月には筑波技術大学と聴覚障害者の職域拡大や環境改善を目指し、複数人との会話におけるリアルタイム字幕表示に関して共同研究を行うと発表した。19年7月には、臨床試験の画像判定をAI化するシステム開発に向けて、マイクロン社と協業開始した。
19年9月にはGoogle Cloudパートナープログラムにおいてパートナー認定を取得した。19年10月には大阪工業大学と効率的なAI教師データ作成の開発に着手した。
■20年3月期増益予想で上振れ余地
20年3月期の非連結業績予想は、売上高が19年3月期比1.6%増の218億円、営業利益が3.8%増の14億20百万円、経常利益が3.2%増の14億20百万円、純利益が6.4%増の9億30百万円としている。配当予想(8月9日に令和記念配当5円実施で上方修正)は5円増配の25円(期末一括)である。
第2四半期累計は、売上高が前年同期比8.3%増の109億51百万円、営業利益が9.7%増の6億82百万円、経常利益が14.3%増の7億07百万円、純利益が20.6%増の4億89百万円だった。需要が高水準に推移して増収増益と順調だった。
第2四半期累計の進捗率は売上高が50.2%、営業利益が48.0%である。第4四半期の構成比が高い特性を考慮すれば高水準である。通期は人材確保・育成に向けた採用・教育コストの増加などで微増益にとどまる予想だが、上振れ余地がありそうだ。収益拡大を期待したい。
■株主優待制度は毎年3月末の2単元以上保有株主対象
株主優待制度は毎年3月末現在の2単元(200株)以上保有株主を対象として実施(詳細は会社HP参照)している。
■株価は戻り試す
株価は8月の年初来安値圏から下値を切り上げている。戻りを試す展開を期待したい。11月11日の終値は880円、今期予想PER(会社予想EPS61円81銭で算出)は約14倍、今期予想配当利回り(会社予想25円で算出)は約2.8%、前期実績PBR(前期実績BPS605円04銭で算出)は約1.5倍、時価総額は約143億円である。(日本インタビュ新聞社アナリスト水田雅展)