【編集長の視点】綿半HDは続落も2Qの大幅増益業績を見直し割安修正期待の押し目買いは継続

 綿半ホールディングス<3199>(東1)は、前日13日に31円安の2039円と6営業日続落して引けた。日経平均株価が、200円安と反落したことから、10月4日につけた年初来安値1940円から底上げ途上にある同社株も、目先の利益を確定する売り物に押された。ただ朝方には2086円まで買われる場面があり、下値では今年10月30日に発表した今2020年3月期第2四半期(2019年4月~9月期、2Q)累計業績を手掛かりに割安修正買いが続いた。同2Q累計業績は、期初予想よりやや下ぶれて着地したものの、7月~9月期の3カ月ベースでは前年同期比で34%~47%の大幅増益となっており、今3月期通期業績の5期連続の過去最高更新予想に弾みがつくとポジティブに評価されている。

■積極的なM&A効果も加わり7~9月期の営業利益は47%増益

 同社の今期2Q累計業績は、売り上げが期初予想より41億円超上ぶれ、利益が5300万円~1億900万円下ぶれ、前年同期比19.8%増収、2.8%営業増益、3.5%経常増益、16.6%純益減益となった。小売事業が、前期のネット通販会社アベルネットに加えて新たに3社をグループ会社化した効果や、消費税増税前の駆け込み需要、チラシを削減するEDLC(エブリデー・ロー・コスト)戦略の継続などでV字回復したことが、建設事業の鋼材価格高騰などによる利益伸び悩みをカバーした。

 この2Q累計業績を3カ月ベースで比較すると、7月~9月期業績は、前年同期比20.5%増収、47.6%営業増益、47.2%経常増益、34.8%純益増益となり、4月~6月期の同19.0%増収、43.1%営業減益、42.0%経常減益、58.7%純益減益から増収増益率を伸ばした計算となる。同社の今2020年3月期通期業績は、売り上げ1142億4500万円(前期比7.3%増)、営業利益26億7300万円(同13.0%増)、経常利益28億1100万円(同12.2%増)、純利益16億4000万円(同1.7%増)と予想され、5期連続で過去最高を更新するが、2Q業績を受け第3四半期以降の業績推移に期待を高め、最高業績更新の確度が高まったと評価されている。

■ミニGCで上昇転換を示唆しPER12倍修正でまず年初来高値調整幅の半値戻し

 株価は、世界同時株安のなか圏外に位置するディフェンシブ株人気を高めて年初来高値2576円まで買い進まれる逆行高を演じたが、その後も続いた全般相場の波乱とともに下値を探り、台風19号による地盤の長野県の災害発生とともに年初来安値1940円へダメ押しをした。同安値からは、売られ過ぎ訂正と復旧・復興需要期待が相乗して底上げに転じ、それまで上値抵抗線だった25日移動平均線を突破し、5日移動平均線が25日線を上抜くミニ・ゴールデンクロス(GC)を示現して上昇トレンド転換を示唆した。足元では再び25日線で下値を確認しているが、PERは12倍台と割安であり、底上げに再発進し、第1目標として年初来高値から年初来安値への調整幅の半値戻しの2258円が浮上しよう。(本紙編集長・浅妻昭治)

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