【話題】日経平均の上ザヤ再び拡大

■NYダウに対する上ザヤは日本の3度目の量的緩和があるまで続く

話題 今年2月27日から日経平均がNYダウを上回る、いわゆる「日経平均上ザヤ」が、ほぼ2カ月にわたって続いている。長い間、日経平均はNYダウの下に位置し、NYダウの動きに左右される展開が続いてきた。

背景には、両国の景気の方向性に大きい違いのあることが大きいとみられる。アメリカは量的金融緩和は終了し金利引上げが接近、米国景気はこれまでの好調から横バイ高原状態が予想される。

一方、日本はアメリカにならって2度の量的金融緩和(規模約270兆円)を行ったが、効果は今ひとつ。大企業には効果は現れているが、中小企業や地方には量的緩和効果の実感はないといわれる。外国人観光需要と原油安に助けられている面はあるが、原油相場はボトム44ドル(1バレル)から足元では57ドル台まで上昇している。

「地方まで好景気の恩恵を」という政策公約を実現するためには時期は別としても3度目の量的金融緩和は避けられないものとみられ、日経平均の押し上げ効果となっている。

しかも、日本のマーケットには外国人投資家に頼らなくても厚生年金基金、国家公民共済、地方公務員共済、教職員共済など合計で株買い余力は10兆円ていどとみられており需給関係は極めて良好である。

日本の上場企業は、「ROE経営」に目覚め、1株利益、配当など投資価値の向上が続く見通しにある。かつて、10数年前にROEは考えていないと言っていた三菱重工がROE重視に転換しているほどである。

こうした、日米の景気の方向性の違いと、日本企業が遅れていたROE重視経営に目を向けてきたことで今後も日経平均の上ザヤ状態は続くものとみられる。

去る、3月25日には日経平均の上ザヤは2027ポイントまで拡大。その後、1500ポイントまでサヤは縮小していたが、週末24日は2095ポイントと再び日経平均の上ザヤ拡大の方向にある。3度目の量的金融緩和が実施するまでは日経平均の上ザヤはいっそう拡大するものとみられる。

 

関連記事


手軽に読めるアナリストレポート
手軽に読めるアナリストレポート

最新記事

カテゴリー別記事情報

ピックアップ記事

  1. ■内蔵インヒールで自然な足長効果、フォーマルからビジネスまで対応  青山商事<8219>(東証プラ…
  2. ■デュアル周波数対応で通信の安定性を確保  世界的なDX進展を背景に京セラ<6971>(東証プライ…
  3. ■リアルタイム文字起こしと自動要約で議事録作成を効率化  シャープ<6753>(東証プライム)は2…
2025年4月
 123456
78910111213
14151617181920
21222324252627
282930  

ピックアップ記事

  1. ■低PER・高配当利回り、不動産・銀行株が市場を牽引  3月の東京都区部消費者物価指数が前年比2.…
  2. ■新年度相場のサブテーマは「物価」?!  米国のトランプ大統領は、「壊し屋」と奉る以外にない。その…
  3. ■新年度相場の初動として注目される値上げ関連銘柄  4月予定の値上げは、原材料価格上昇や物流費増加…
  4. どう見るこの相場
    ■トランプ関税懸念も『総論弱気、各論強気』の市場展開  「トランプ・ディール(取引)」と「トランプ…
  5. ■名変更会社の局地戦相場の待ち伏せ買いも一考余地  今年4月1日以降、来年4月1日まで社名変更を予…
  6. ■あの銘柄が生まれ変わる!市場を揺るがす社名変更、次なる主役は?  「トランプ・トレード」が、「ト…

アーカイブ

「日本インタビュ新聞社」が提供する株式投資情報は投資の勧誘を目的としたものではなく、投資の参考となる情報の提供を目的としたものです。投資に関する最終的な決定はご自身の判断でなさいますようお願いいたします。
また、当社が提供する情報の正確性については万全を期しておりますが、その内容を保証するものではありません。また、予告なく削除・変更する場合があります。これらの情報に基づいて被ったいかなる損害についても、一切責任を負いかねます。
ページ上部へ戻る