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クレスコは調整一巡、20年3月期増収増益予想で2Q累計順調
- 2019/11/22 05:20
- アナリスト水田雅展の銘柄分析
クレスコ<4674>(東1)はビジネス系ソフトウェア開発を主力として、カーエレクトロニクス関連などの組込型ソフトウェア開発も展開している。20年3月期は受注が高水準に推移して増収増益予想である。第2四半期累計は2桁営業増益と順調だった。通期も収益拡大を期待したい。なお配当予想を増額修正している。株価は上値が重くモミ合い展開だが、徐々に下値を切り上げている。調整一巡して戻りを試す展開を期待したい。
■ビジネス系ソフトウェア開発が主力で組込型ソフトウェア開発も展開
ビジネス系ソフトウェア開発(アプリケーション開発、基盤システム構築)事業を主力として、組込型ソフトウェア開発事業、その他事業(商品・製品販売)も展開している。
19年3月期セグメント別売上高構成比はソフトウェア開発事業82%(金融・保険分野30%、公共・サービス分野24%、流通・その他分野28%)、組込型ソフトウェア開発事業18%(通信システム分野1%、カーエレクトロニクス分野7%、情報家電等・その他分野10%)、その他事業(商品・製品販売等)0%だった。営業利益構成比(連結調整前)はソフトウェア開発事業74%、組込型ソフトウェア開発事業26%、その他0%だった。
18年1月システム開発のネクサスを子会社化、18年4月子会社のアイオスとアプリケーションズを統合、18年9月アルスを子会社化、18年10月アイオスがイーテクノを子会社化、19年4月子会社のクレスコ九州を吸収合併、19年10月アイオスとイーテクノを統合、クレスコ・ベトナムが営業開始した。
収益面では案件別の採算性が影響し、企業のIT投資関連のため年度末にあたる第4四半期の構成比が高くなる季節特性がある。
なお配当方針は変更し、連結経常利益をもとに特別損益を零とした場合に算出される親会社株主帰属当期純利益の30%相当を目途に、継続的に実現することを目指すとしている。20年3月期中間配当から適用する。
■質的・量的成長目指す
中期成長に向けた5ヶ年経営ビジョン(16年4月~)では、経営方針としてCRESCO Ambition 2020に沿った経営、サービス品質強化による質的成長、リソース・技術戦略強化による量的成長、M&Aによる成長スピード拡大を掲げている。
オリジナル製品・サービスでは、IoTの「KEYAKI」、AIの「Minervae」、クラウドの「Creage」を3大ブランドと定義し、ソフトウェア開発・システム開発の需要喚起を推進している。
18年7月にはRPA(ロボティック・プロセス・オートメーション)プラットフォーム「UiPath」を提供する米UiPathと、認定リセラー・パートナー契約を締結した。19年3月には医療画像解析ソフトウェアが、ニデックの画像ファイリングソフトウェアNAVIS-EXに採用された。19年5月にはソフトバンクが運営するAIエコシステムプログラムにおいて、パートナー・オブ・ザ・イヤーを受賞した。19年11月にはアマゾンのAWSパートナー制度で、AWS Well―Architectedパートナープログラム認定を取得した。
■20年3月期増収増益予想で2Q累計順調
20年3月期連結業績予想は、売上高が19年3月期比7.5%増の378億80百万円、営業利益が6.0%増の34億円、経常利益が4.2%増の38億13百万円、純利益が5.7%増の24億16百万円としている。配当予想(11月6日に4円増額修正)は6円増配の72円(第2四半期末36円、期末36円)である。
第2四半期累計は、売上高が前年同期比12.8%増の192億18百万円、営業利益が22.8%増の17億26百万円、経常利益が10.2%増の18億96百万円、純利益が5.8%増の11億39百万円だった。
売上面では、ソフトウェア開発が公共サービスの既存顧客のIT投資増加や流通・その他の子会社における受注拡大などで13.1%増収、組込型ソフトウェア開発がカーエレクトロニクスのインフォティメント系を中心に11.9%増収と好調に推移した。利益面では、品質管理と収益管理の徹底によって大きな収益性が改善し、大幅営業増益だった。
通期も受注が高水準に推移して増収増益予想である。品質管理強化と生産性向上を軸に足固めしつつ、成長に弾みをつける時期と位置付けている。第2四半期累計の進捗率は売上高50.7%、営業利益50.8%と順調だった。通期も収益拡大を期待したい。
■株価は調整一巡
株価は上値が重くモミ合い展開だが、徐々に下値を切り上げている。調整一巡して戻りを試す展開を期待したい。11月21日の終値は3380円、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS228円55銭で算出)は約15倍、今期予想配当利回り(会社予想の72円で算出)は約2.1%、前期実績連結PBR(前期実績の連結BPS1475円07銭で算出)は約2.3倍、時価総額は約406億円である。(日本インタビュ新聞社アナリスト水田雅展)