テクマトリックスの第2四半期は当初予想を大幅に上回る好決算
- 2019/11/25 07:04
- 決算発表記事情報
■最高益更新継続中で、配当も毎期増配
テクマトリックス<3762>(東1)の第2四半期は、10月28日に上方修正したように、当初予想を大幅に上回る好決算であった。
ところが、上方修正を発表した翌日29日の株価は全く反応せず、引け値2339円(前日比89円安)と下げた。やっと反応したのは、第2四半期を発表した10月31日の翌日11月1日で、年初来の高値2523円を付け、引けは2478円(同43円高)となった。しかし、その後は、下げ基調となり、8日には2100円台と大きく下げた。
同社の業績は、最高益更新継続中で、配当も毎期増配している。今期は、初めて第2四半期末の配当12円を実施し、期末配当15円を合わせ27円(前期25円)と2円の増配となる。好業績にもかかわらず、株価は反応が弱く、一時的な動きで終わったのは、第2四半期の上方修正だけで通期予想の上方修正がなかったことと思われる。
11月22日に第2四半期の決算説明会が行われた。
20年3月期第2四半期連結業績は、売上高138億円(前年同期比13.9%増)、営業利益13億43百万円(同42.3%増)、経常利益13億39百万円(同50.8%増)、純利益8億71百万円(同48.8%増)と大幅増益。
セグメント別の売上高は、情報基盤事業93億10百万円(同11.5%増)、アプリケーション・サービス事業44億89百万円(同19.2%増)であった。
情報基盤事業では、次世代ファイアウォール、不正侵入防御アプライアンス、Web対策製品などが好調で、過去最高を記録した。
アプリケーション・サービス事業では、医療分野、CRМ分野が好調であった。また、ソフトウェア製品保証分野も堅調であった。CRМ分野では大型案件の受注が増加した。その結果、同事業も過去最高となった。
セグメント別の営業利益は、情報基盤事業9億56百万円(前年同期比23.0%増)、アプリケーション・サービス事業3億87百万円(同131.8%増)であった。利益も過去最高となった。
以上のように、第2四半期が好業績であったが、通期連結業績予想は当初予想を据え置いている。
ちなみに、20年3月期連結業績予想は、売上高268億円(前期比5.4%増)、営業利益24億60百万円(同1.7%増)、経常利益24億60百万円(同4.6%増)、純利益16億円(同8.8%増)と最高益更新を見込む。
進捗率を見ると売上高51.5%(前期47.7%)、営業利益54.6%(同39.0%)、経常利益54.4%(同37.8%)、純利益54.4%(同39.8%)となっていることから、上振れが予想される。
トピックスとしては、情報基盤分野では、ハイパーコンバージド型セカンダリストレージ「Cohesty」という、サーバー的なCPUの部分とストレージを統合したソフトでプライマリーのデータのバックアップ策として使う商材を7月より取り扱い始めた。様々なバックアップ環境を一元化することでコスト削減や、AIやIоT導入などにより増大するデータを、集約かつ最適配置することでデータの利活用を実現するため、今後のニーズが高まるものと予想される。
また、医療分野では、20年4月1日より、法改正による医療被曝の線量記録及び線量の義務化に伴い、医療画像をクラウドで扱うNOBORIでは、A-Lineが提供する医療被曝線量の管理システム「MINCADI」が「NOBORI PAL」に今年4月より追加されることとなった。このことで、NOBORIのユーザーは、新たなサーバー機器の設置・初期費用は不要となり、月額料金のみで線量管理サービスを利用することが出来る。今期目標で100件の契約を目指している。出だしは遅かったが、需要が高まっていることから、NOBORIのユーザーは必ず必要になると見ている。
CRМ分野では、コンタクトセンターで利用されているFAQ(よくある質問・想定される質問とその回答を集めたもの)ナレッジシステム「FastAnswer2」の実績が順調に増加している。外部公開用FAQと内部用FAQの両用途に適用が可能であることが好評である。
ソフトウェア品質保証分野においては、自動車業界ではCASE(Conected、Autonomous、Shared&Services、Electric)への取組対応に伴いソフトウェアの巨大化・複雑化が進行していることから、自動車のソフトウェアの不具合は致命的であり、各企業は品質の高い車載ソフトウェアの開発が求められている。そのような状況であることから、自動テストツール「Parasoft C++test」の販売が好調である。また、UI(ユーザーインターフェースの略)上でユーザー操作をキャプチャし、テストを作成することが可能な、UIテスト自動化ツール「Ranorex」がアプリケーション開発に重宝されていて、売上が2ケタ成長と好調である。
ビジネスソリューション分野においては、連結子会社のカサレアルが教員向けにAppleプロフェッショナルラーニング基礎インストラクターのサービスを8月より開始した。背景には、「新学習指導要領」により、20年度から小学校・中学校・高等学校でプログラミング教育が必修化となることがある。そのため、Apple製品の基礎とそれらを授業に取り入れる方法についてのトレーニングが教師に必要となる。
以上のように、時流に沿った商品、サービスの提供を行っていることから、今後も事業の拡大が続くものと期待される。