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JFEシステムズは上値試す、20年3月期2桁増益予想
- 2019/12/3 07:12
- アナリスト水田雅展の銘柄分析
JFEシステムズ<4832>(東2)はJFEグループの情報システム会社である。20年3月期2桁増益予想である。収益拡大を期待したい。株価は急伸して年初来高値を更新した。そして01年の高値に接近している。自律調整を交えながら上値を試す展開を期待したい。
■JFEグループの情報システム会社
JFEグループの情報システム会社である。鉄鋼向け情報システム構築事業を主力として、ERPと自社開発ソリューションを組み合わせた一般顧客向け複合ソリューション事業、自社開発のプロダクト・ソリューション事業も強化している。19年4月にはビジネスインテリジェンス領域に特化した独立系ITコンサルティング会社のIAFCを子会社化した。
19年3月期の事業別売上高は鉄鋼187億円、一般顧客152億円、基盤サービス46億円、子会社(JFEコムサービス)41億円だった。収益面では情報システム関連のため、年度末にあたる第4四半期の構成比が高い特性がある。
中期経営計画(19年3月期~21年3月期)の目標数値には、21年3月期売上高460億円以上、経常利益32億円以上、純利益20億円以上、配当性向(目安)30%を掲げている。経常利益と純利益は19年3月期に2期前倒しで目標を達成した。
重点戦略は、高収益事業への構造転換で製鉄所システムリフレッシュ本格化に向けた体制確保、AIやIoTなど新技術を活用したソリューション事業の拡大、クラウドやセキュリティ関連など基盤サービス事業の拡大、基幹事業の強化で自動車向け体制充実や金融向け構造転換推進など製造・金融分野の顧客基盤強化、プロダクト事業(食品、電子帳票)強化によるニッチトップ確立としている。
なお、女性の活躍推進の取り組みが優れた企業を厚生労働大臣が認定する「えるぼし」や、働き易い職場環境整備・意識啓発に取り組む企業を東京都が登録する「心のバリアフリーサポート企業」など、働き方・企業風土に関する各種認証を取得している。
■20年3月期2桁増益予想
20年3月期の連結業績予想(10月28日に利益を上方修正)は、売上高が19年3月期比12.7%増の480億円、営業利益が15.2%増の40億円、経常利益が16.0%増の40億円、純利益が12.0%増の26億円としている。配当予想(10月28日に期末10円上方修正)は15円増配の100円(期末一括)としている。7期連続増配予想である。
第2四半期累計は売上高が前年同期比8.8%増の222億79百万円、営業利益が26.1%増の20億39百万円、経常利益が26.4%増の20億28百万円、純利益が21.9%増の13億11百万円だった。鉄鋼部門の増収や新規連結(IAFC)効果などで、売上高、利益とも過去最高を更新した。
通期の事業別売上高計画は、鉄鋼が製鉄所システム刷新関連の増加で18億円増の205億円、一般顧客が金融関連の減少をソリューションの増加でカバーして10億円増の162億円、基盤サービスがJFEスチール・グループ向けの拡大で11億円増の57億円、子会社(JFEコムサービス、IAFC)が15億円増の56億円としている。
20年3月期は6期連続で過去最高更新予想である。需要が高水準に推移し、利益面ではプロダクト事業など高採算事業の構成比上昇、鉄鋼部門における原価削減が寄与する。収益拡大を期待したい。
■株価は上値試す
株価は急伸して年初来高値を更新した。そして01年の高値に接近している。自律調整を交えながら上値を試す展開を期待したい。12月2日の終値は3535円、今期予想連結PER(会社予想連結EPS331円10銭で算出)は約11倍、今期予想配当利回り(会社予想100円で算出)は約2.8%、前期実績連結PBR(前期実績連結BPS1939円21銭で算出)は約1.8倍、時価総額は約278億円である。(日本インタビュ新聞社アナリスト水田雅展)