【特集】終活関連・エンディング産業関連銘柄と注目銘柄にトライ

特集

 終活関連株は、業績の上方修正などで年初来高値まで買い進まれる銘柄も出て、投資チャンスを示唆しており、あるいは預貯金に滞留している金融資産の流入も期待できるかもしれない。来年は、安倍晋三首相の「桜を見る会」は中止となるようだが、自分流の「桜を見る会」を楽しみに終活関連株で越冬作戦にトライするのも、一法となりそうだ。

■3Q決算発表間近の鎌倉新書次第で上方修正の関連株などに見直し買い

 終活関連株で下値に継続して老熟投資家などを中心に買いが続いている代表株は、鎌倉新書<6184>(東1)である。同社株は、前週末の6日に東証第1部値下がり率ランキングの第5位となり、週末2日間で250円幅の続落となった。12月4日に年初来高値2084円まで買い進まれたこともあり、利益確定売りが優勢となったが、今週12日には今2020年1月期の第3四半期(3Q)決算の発表を予定しており、昨年12月の前期3Q決算発表時は、前期通期業績の上方修正を発表して株価が急騰しており、運営している葬儀、仏壇、お墓のポータルサイトが好調に推移しているだけに、再現期待を高めて注目を集めそうだからだ。2015年12月に新規株式公開されて以来、上場来安値から2回の株式分割、東証1部への市場変更を経て実に26倍もの大化けを演じ、年初来高値は実質の上場来高値となり、下値に着実に買い物が続いていたことを物語っている。鎌倉新書の動向次第で終活関連株への期待度が高まる展開も想定される。

 この関連株のうち、すでに今3月期第2四半期業績を上方修正した銘柄は、こころネット<6060>(JQS)ニチリョク<7578>(JQS)燦ホールディングス<9628>(東1)と続き、年初来高値まで買い進まれたこころネットと燦HDを含めて、PERはそれぞれ10倍台、6倍台、8倍台と割安である。またニチリョクとサン・ライフホールディングス<7040>(JQS)の両社は、業務提携そのものは継続するものの、政策保有株の見直しに伴って資本提携を解消し相互の持ち合い株を売却しており、うちニチリョクはこの売却益が5364万円発生した。このほか神奈川県を地盤に葬祭会館を展開する平安レイサービス<2344>(JQS)は、小田原市を地盤とする同業2社の株式を取得して子会社化し、ティア<2485>(東1)は、株主優待制度を廃止し利益還元策を配当に絞る資本政策変更に伴い今9月期年間配当を20円(前期実績11円)に大幅増配する。

■生花や遺影写真などの定番銘柄に遺言信託、事業承継の新ビジネス株も

 終活関連の周辺ビジネス株も、要注目となる。定番銘柄をコード番号順に上げると、葬儀用湯灌サービスのケアサービス<2425>(JQG)、遺影写真加工のアスカネット<2438>(東マ)、祭壇用生花のビューティ花壇<3041>(東2)、胡蝶蘭のアートグリーン<3419>(名セ)、デジタル遺品サポートサービスの日本PCサービス<6025>(名セ)、葬祭用畳の極東産機<6233>(JQS)、切り花の大田花き<7555>(JQS)、仏壇のはせがわ<8230>(東1)などとなる。業績的に芳しくない銘柄も含まれるが、値ごろ妙味が目立っており思惑を呼びそうだ。

 新ビジネスの遺言信託を展開するりそなホールディングス<8308>(東1)三井住友トラスト・ホールディングス<8309>(東1)大和証券グループ本社<8601>(東1)などは、まさしくバリュー株であり、中小企業の後継者不足で拡大している事業承継ビジネスを手掛ける日本M&Aセンター<2127>(東1)M&Aキャピタルパートナーズ<6080>(東1)ストライク<6196>(東1)フロンティア・マネジメント<7038>(東マ)TKC<9746>(東1)などは、年初来高値や株式分割の権利落ち後の高値水準にあるが、時流に乗ってなお上値チャレンジに弾みをつけそうだ。

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