【編集長の視点】アンビスは上場来高値更新、有料老人ホーム開設ラッシュで連続最高業績買いが増勢

 アンビスホールディングス<7071>(JQS)は、前日9日に580円高の6860円と続急伸してほぼこの日の高値で引け、今年11月27日につけた上場来高値6700円を大きく更新した。同社株は、今年10月9日に新規株式公開(IPO)されたばかりで、今年7月から11月まで5カ月連続で有料老人ホーム「医心館」5施設を開設し来2020年も2月、4月と積極的に出店、新設ラッシュとなることから今2020年9月期の連続最高予想業績を見直し直近IPO株買いが増勢となった。株式需給的にも、東証マザーズ指数に組み入れられリプレースの買い需要が発生したことなども、押し上げ効果を発揮している。

■今年7月から5カ月連続で「医心館」を開設し今期通期で9施設開設

 「医心館」は、地域医療の強化・再生を目指す事業ミッションに基づき、慢性期・終末期の看護・介護ケアに特化した医療施設型ホスピスとして運営され、医療依存度の高い高齢者の受け皿となっている。少子高齢化社会でこのニーズは高まっており、同社も同ホームの積極的な開設で社会貢献をしている。今年7月の山形での開設に続いて8月、9月、10月と開設が加速、11月には全国で22施設目となる「医心館 北上」(岩手県北上市)を開設、このあとも来年2月に茨城県水戸市、4月に宮城県仙台市、青森県八戸市で出店を予定しており、開設ラッシュとなる。

 「医心館」の開設は期を追うごとに拡大しており、2017年9月期の2施設が、2018年9月期に3施設、前2019年9月期は7施設と増加、前期末の合計施設数は20施設、累計定員数は841名と2017年9月期(10施設、365名)から大きく伸びている。今2020年9月期も、9施設程度の出店を計画、累計定員は1240名程度に増加する。このため、IPO時予想を上ぶれて着地した前2019年9月期業績に続いて、今2020年9月期も過去最高更新が予想されている。売り上げ83億8600万円(前期比56.2%増)、営業利益15億円(同64.9%増)、経常利益13億9000万円(同60.2%増)、純利益10億300万円(同66.4%増)と高成長を見込んでいるもので、前期に6円として初配当した配当は、今期は年間10円と大幅増配を予定している。

■最高値水準でのスピード調整が一巡し直近IPO株人気を強め上値チャレンジ

 株価は、公開価格2800円でIPOされ4260円で初値をつけ、いったん上場来安値3775円まで下ぶれたが、「医心館」の開設ラッシュや前期業績の上ぶれ着地・今期業績の続伸予想でストップ高し、さらに東証マザーズ株価指数組み入れに伴う好需給期待も加わって6700円高値まで買い進まれ、スピード調整中であった。この調整一巡感もから再騰、最高値更新となったもので、全般相場の先行きになお不透明感が残る相場環境下、直近IPO株人気を増幅し上値チャレンジが続こう。(本紙編集長・浅妻昭治)

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