アスカネットの第2四半期はパーソナルパブリッシングサービス事業が好調で増収増益と堅調に推移

◇通期予想の上振れも期待できる

 アスカネット<2438>(東マ)の第2四半期は、パーソナルパブリッシングサービス事業が好調であったことから、収増益と堅調に推移した。通期予想は増収ながら減益を見込むが、第2四半期が堅調であることから上振れも期待できる。

 同社は、遺影写真等画像映像のデジタル加工や通信出力サービスを主に提供するメモリアルデザインサービス事業、1冊から本格的写真集という新しい写真のアウトプット手法を提案するパーソナルパブリッシングサービス事業、空中結像という今までにないユニークな技術で、新しい市場の創造を目指すエアリアルイメージング事業と三つの事業を展開している。


 メモリアルデザインサービス事業は、主力である遺影写真加工収入や動画等葬儀演出サービスは、若干想定を下回ったものの、ハード売上や、額・サプライ品の売上が好調だったこともあり、前年同期実績を上回った。利益面については、画像処理部門の人員増強 により人件費が増加したことなどにより、セグメント利益は微減となった。その結果、売上高は12億18百万円(前年同期比1.3%増)、セグメント利益は2億97百万円(同1.8%減)となった。

 パーソナルパブリッシングサービス事業では、プロフェッショナル写真家向け市場は「アスカブック」、一般消費者向け市場は「マイブック」ブランドで展開している。また、スマートフォンで撮影された写真からフォトブックや写真プリントをOEM供給している。それぞれ売上拡大に向けた取り組みを実施したことで、プロフェッショナル写真家向け市場、一般消費者向け市場ともに、売上は順調に推移した。OEM供給に関しても、売上は順調に増加した。一方、利益面については、人件費の増加や送料の値上げなどに加え、本社隣接の新工場(西館)の完成などコスト増加要因があったものの、増収効果や生産効率化投資が寄与し、増益となった。その結果、売上高は18億75百万円(同13.6%増)、セグメント利益は3億96百万円(同9.3%増)と増収増益となった。

 エアリアルイメージング事業は、空中結像技術を用いた新しい画像・映像表現により市場を創造することを目指し、2011年3月に開始した事業であり、独自技術により空中結像を可能にする「ASKA3Dプレート」について、ガラス製、樹脂製それぞれ開発、製造、販売している。利益面は、安価な樹脂製ASKA3Dプレートのサンプル販売に注力したことで、売上は前年同期を下回った。費用面では、人件費は増加したものの、展示会の絞り込みや研究開発テーマの集中などにより広告宣伝費や研究開発費を抑制したため、セグメント損失は前年同期に比べ縮小した。その結果、売上高は51百万円(同23.4%減)、セグメント利益は△1億09百万円(前年同期は△1億17百万円)であった。

 以上の結果、20年4月期第2四半期業績は、売上高31億42百万円(同7.9%増)、営業利益3億23百万円(同5.6%増)、経常利益3億24百万円(同4.6%増)、純利益2億28百万円(同8.3%増)となった。

 第2四半期は堅調に推移したことから、通期業績予想は当初予想を据え置いている。

 ちなみに、20年4月期通期業績予想は、売上高67億38百万円(前期比7.0%増)、営業利益8億24百万円(同5.1%減)、経常利益8億29百万円(同5.1%減)、純利益5億45百万円(同9.0%減)と増収ながら減益を見込む。

 しかし、進捗率は、売上高46.6%(前年同期46.3%)、営業利益39.2%(同35.2%)、経常利益39.1%(同35.5%)、純利益41.8%(同35.3%)と前年同期を上回っていることから上振れも期待できそうである。

関連記事


手軽に読めるアナリストレポート
手軽に読めるアナリストレポート

最新記事

カテゴリー別記事情報

ピックアップ記事

  1. ■内蔵インヒールで自然な足長効果、フォーマルからビジネスまで対応  青山商事<8219>(東証プラ…
  2. ■デュアル周波数対応で通信の安定性を確保  世界的なDX進展を背景に京セラ<6971>(東証プライ…
  3. ■リアルタイム文字起こしと自動要約で議事録作成を効率化  シャープ<6753>(東証プライム)は2…
2025年4月
 123456
78910111213
14151617181920
21222324252627
282930  

ピックアップ記事

  1. ■低PER・高配当利回り、不動産・銀行株が市場を牽引  3月の東京都区部消費者物価指数が前年比2.…
  2. ■新年度相場のサブテーマは「物価」?!  米国のトランプ大統領は、「壊し屋」と奉る以外にない。その…
  3. ■新年度相場の初動として注目される値上げ関連銘柄  4月予定の値上げは、原材料価格上昇や物流費増加…
  4. どう見るこの相場
    ■トランプ関税懸念も『総論弱気、各論強気』の市場展開  「トランプ・ディール(取引)」と「トランプ…
  5. ■名変更会社の局地戦相場の待ち伏せ買いも一考余地  今年4月1日以降、来年4月1日まで社名変更を予…
  6. ■あの銘柄が生まれ変わる!市場を揺るがす社名変更、次なる主役は?  「トランプ・トレード」が、「ト…

アーカイブ

「日本インタビュ新聞社」が提供する株式投資情報は投資の勧誘を目的としたものではなく、投資の参考となる情報の提供を目的としたものです。投資に関する最終的な決定はご自身の判断でなさいますようお願いいたします。
また、当社が提供する情報の正確性については万全を期しておりますが、その内容を保証するものではありません。また、予告なく削除・変更する場合があります。これらの情報に基づいて被ったいかなる損害についても、一切責任を負いかねます。