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巴工業は調整一巡、20年10月期減益予想だが保守的
- 2019/12/16 06:12
- アナリスト水田雅展の銘柄分析
巴工業<6309>(東1)は機械製造販売事業と化学工業製品販売事業を展開している。20年10月期減益予想だがやや保守的だろう。上振れを期待したい。株価は上値を切り下げる形だが、調整一巡して戻りを試す展開を期待したい。
■機械製造販売事業と化学工業製品販売事業を展開
遠心分離機械を中心とする機械製造販売事業、合成樹脂や化学工業薬品などを中心とする化学工業製品販売事業を展開している。
19年10月期のセグメント別売上構成比は機械製造販売事業27%、化学工業製品販売事業73%、営業利益構成比は機械製造販売事業41%、化学工業製品販売事業59%だった。また地域別売上構成比は日本79%、アジア18%、その他3%だった。
収益面では、機械製造販売事業が設備投資関連のため、第2四半期(2月~4月)および第4四半期(8月~10月)の構成比が高くなりやすい特性がある。
■20年10月期減益予想だが保守的
19年10月期連結業績は、売上高が18年10月期比2.4%減の413億55百万円、営業利益が0.1%減の23億76百万円、経常利益が2.1%増の23億84百万円、純利益が3.7%増の15億69百万円だった。配当は18年10月期と同額の47円(第2四半期末23円50銭、期末23円50銭)である。
利益は計画を若干上回り、経常・最終増益で着地した。機械製造販売(0.7%増収・63.7%増益)は、収益性の良い部品・修理が海外向け中心に伸長して大幅増益だった。化学工業製品販売(3.5%減収・21.3%減益)は、合成樹脂分野の原料、電子材料分野の半導体製造用途向け搬送用商材、機能材料分野の半導体製造装置向けセラミックス製品の需要減少、売上総利益率の低下で減益だった。
20年10月期連結業績予想は、売上高が19年10月期比8.1%増の447億円、営業利益が5.3%減の22億50百万円、経常利益が5.6%減の22億50百万円、純利益が4.4%減の15億円としている。配当予想は19年10月期と同額の47円(第2四半期末23円50銭、期末23円50銭)である。
機械製造販売は、海外での機械販売や国内の官需向けの好調で売上高が22.7%増の138億円だが、増加となる機械の利益率が低いため営業利益が21.8%減の7億60百万円の見込みとしている。化学工業製品販売は、化成品分野の紫外線硬化樹脂、機能材料分野および電子材料分野の半導体製造装置向け材料の増加を見込み、売上高が2.6%増の309億円、営業利益が6.1%増の14億90百万円の計画としている。
20年10月期減益予想だがやや保守的だろう。上振れを期待したい。
■株主優待制度は10月末の株主対象
株主優待制度は、毎年10月31日現在の1単元(100株)以上保有株主に対して、ワイン(当社関連会社取扱商品)1本を贈呈する。
■株価は調整一巡
株価は上値を切り下げる形だが、調整一巡して出直りを期待したい。12月13日の終値は2315円、今期予想連結PER(会社予想連結EPS150円33銭で算出)は約15倍、今期予想配当利回り(会社予想47円で算出)は約2.0%、前期実績連結PBR(前期実績連結BPS2892円41銭で算出)は約0.8倍、時価総額は約244億円である。(日本インタビュ新聞社アナリスト水田雅展)