【編集長の視点】PSOLは反落も3Q好決算を手掛かりに直近IPO株買いが続き下げ渋る
- 2019/12/19 08:28
- 編集長の視点
パワーソリューションズ<PSOL、4450>(東マ)は、前日18日に20円安の3925円と反落して引けた。日経平均株価が131円安、東証マザーズ指数が1.57%安とそれぞれ反落したことから、同社株も目先の利益を確定する売り物に押された。ただ、下値は25日移動平均線を前に下げ渋る動きをみせており、今年10月1日の新規株式公開(IPO)後の初決算として今年11月14日に発表された今2019年12月期第3四半期(2019年1月~9月期、3Q)業績が、IPO時予想の12月期通期業績に対して高利益進捗率を示したことを手掛かりに、下値に直近IPO株買いが続いた。今年12月1日にRPA(ロボティック・プロセス・オートメーション)のソフトウエアの提供で世界的に高実績を誇るUiPath社(東京都千代田区)の認定リセラーの最上位の「ダイヤモンドパートナー」に認定されたことも、業績期待を高めている。
■3Q業績はすでにIPO時予想の12月期通期業績を上回って着地
同社の今期3Q業績は、売り上げ21億5300万円、営業利益3億3400万円、経常利益3億1700万円、純利益2億500万円で着地した。3Q決算は初作成となるため前年同期比較はないが、主力の金融機関向け業務コンサルティング・システムの受託開発・運用保守サービスで、金融業界のグループ統廃合を背景にしたシステムの統廃合などで引き続き需要が旺盛で、2018年8月から開始した一般事業者向けのRPAライセンス販売・RPA導入サービスでは、顧客からの引き合いが増加し、これに対応してコンサルタント経験者を3Q累計で新規に19名を採用してさらなる増加案件への体制を強化したことなどが要因となった。
この3Q業績は、すでにIPO時に予想した今12月期通期業績を上回ったが、通期業績は、上場関連費用の計上などもあるためIPO予想を据え置いた。売り上げ26億6400万円(前期比12.7%増)、営業利益3億1200万円(同8・0%増)、経常利益3億1400万円(同11.8%増)、純利益2億400万円(同1.0%増)と見込んでいるものだが、今後の業績推移に期待を高めている。
とくにRPAの認定リセラーは、2018年2月に「ゴールドパートナー」と認定されたのに続き、今年12月1日に最上位の「ダイヤモンドパートナー」に認定されており、国内リセラー51社のうち、「ダイヤモンドパートナー」はわずか7社となっており、主力事業との連携を強め競争優位性を高める。労働力不足の解消や今年4月から順次施行されている「働き方改革関連法」への対応などにより企業の業務自動化・ロボット化は待ったなしとなり、関連案件受注への追い風となるだけに、業績押し上げ効果が注目されている。
■25日線固めでエネルギーを貯め込み「半値戻しは全値戻し」へ再発進
株価は、2000円を公開価格にIPOされ初日は買い気配値を切り上げたまま推移し、上場2日に5110円で初値をつけ上場来高値5160円まで買い進まれ公開価格比2.58倍の高人気となった。セカンダリーでは定石通りに株価定位置を探る動きが続き、上場来安値3315円からは今期3Q好決算を手掛かりに独自ビジネスモデル・好事業環境への見直しが強まって再騰、「ダイヤモンドパートナー」認定で4445円の戻り高値まで買い直されて上場来高値から上場来安値への調整幅の半値戻しを達成した。足元では、25日移動平均線を固める高値保ち合いを続けネネルギーを貯め込んでおり、相場格言の「半値戻しは全値戻し」通りに上場来高値奪回に再発進しよう。(本紙編集長・浅妻昭治)