- Home
- アナリスト水田雅展の銘柄分析
- ラ・アトレは上値試す、19年12月期大幅増収増益・増配予想
ラ・アトレは上値試す、19年12月期大幅増収増益・増配予想
- 2019/12/20 06:09
- アナリスト水田雅展の銘柄分析
ラ・アトレ<8885>(JQ)は、新築分譲マンションなどの新築不動産販売、リノベーションマンションなどの再生不動産販売を主力として、周辺ビジネスや海外展開も強化している。19年12月大幅増収増益・増配予想である。20年12月期も収益拡大を期待したい。株価は急伸して08年以来の高値圏だ。自律調整を交えながら上値を試す展開を期待したい。
■新築不動産販売、再生不動産販売が主力
新築分譲マンションなどの新築不動産販売、リノベーションマンションなどの再生不動産販売を主力として、不動産事業を展開している。
18年12月期セグメント別売上構成比は不動産販売事業91%(新築不動産販売42%、再生不動産販売49%)、不動産管理事業7%、その他2%、営業利益構成比は不動産販売事業76%(新築不動産販売43%、再生不動産販売33%)、不動産管理事業24%だった。物件引き渡し数・時期によって変動しやすい収益特性がある。
■周辺ビジネスや海外展開への取り組みを強化
首都圏における戸別リノベーションマンション仕入・販売強化、綿密なマーケティングに基づく新築マンション販売、高齢者住宅施設・宿泊施設・商業施設など収益不動産開発・取得による保有資産ポートフォリオ充実、福岡や京都など地方中核都市への展開、新規事業・M&Aによる不動産周辺ビジネス・海外展開への取り組みを推進している。
不動産管理事業ではストック型ビジネスとなる管理・賃料収入の拡大を推進している。またインバウンド需要も含めた多言語対応・長期滞在型のLAホテル京都を17年2月、LAホテル福岡を18年6月オープンした。LAホテル京都2、LAホテル札幌にも着手している。
周辺ビジネスへの取り組みでは、17年1月合弁会社ラ・アトレペイメントを設立して家賃保証事業に参入、17年6月独立系投資銀行ストームハーバー証券と業務協力覚書を締結、18年3月アクロディア<3823>およびファイバーゲート<9450>とIoTを活用した不動産開発に関する業務協力覚書を締結した。19年10月にはエムジーホーム<8891>および同社の子会社アーキッシュギャラりーと業務提携した。
海外はカンボジアの子会社がプノンペンで、日系上場企業として初となる高級コンドミニアム開発プロジェクトを推進している。20年12月期に竣工・引き渡し予定である。
■東証本則市場へのステージアップ目指す
中期経経営計画(19年12月期~21年12月期)では、目標数値に21年12月期の売上高201億76百万円、営業利益18億54百万円、経常利益15億30百万円、純利益10億66百万円を掲げている。
基本テーマとしては、東証本則市場へのステージアップ、事業ポートフォリオ拡大=マルチチャネル化推進、経営指標の再構築と実践的財務戦略の実現、中期的企業価値向上を意識した報酬ガバナンスの整備、創業30周年(20年)に向けた準備と次なる挑戦の設定を掲げている。なお19年12月には純粋持株会社への移行(20年7月予定)の検討を開始すると発表した。
■19年12月期増収増益予想
19年12月期連結業績予想(9月12日に売上高を下方修正、利益を上方修正、12月5日に売上高・利益とも上方修正)は、売上高が18年12月期比44.0%増の111億17百万円、営業利益が74.0%増の20億81百万円、経常利益が94.1%増の18億25百万円、純利益が99.8%増の12億47百万円としている。配当予想(9月12日に期末11円上方修正、12月5日に期末17円上方修正)は18年12月期比31円増配の45円(期末一括)である。
新築不動産販売部門における販売用不動産の引き渡し、および共同事業による売上計上が前倒しとなった。20年12月期も収益拡大を期待したい。
■株主優待制度は年2回(6月末と12月末)実施
株主優待制度は年2回、毎年6月末と12月末を基準日として実施している。なお19年12月末基準から、株主優待内容を変更(詳細は会社HP参照)する。
■株価は上値試す
株価は急伸して08年以来の高値圏だ。自律調整を交えながら上値を試す展開を期待したい。12月19日の終値は1207円、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS236円56銭で算出)は約5倍、今期予想配当利回り(会社予想の45円で算出)は約3.7%、前期実績連結PBR(前期実績の連結BPS605円54銭で算出)は約2.0倍、時価総額は約64億円である。(日本インタビュ新聞社アナリスト水田雅展)