【編集長の視点】レオクランは続落も今9月期の減収減益予想業績を織り込み底値感も台頭

レオクラン<7681>(東2)は、前日19日に46円安の2969円と変わらずも含め6営業日続落して引けた。同社株は、今年10月2日に新規株式公開(IPO)され、IPO後の初決算となる9月期業績を11月14日に発表し、前2019年9月期業績はIPO時予想を上ぶれ過去最高業績の更新幅を拡大したが、今2020年9月期業績は、IPO時予想を据え置き一転して2ケタの減収減益を見込んだことが響いて下値を探る動きが続いた。ただ株価水準そのものは、上場来高値から47%下げIPO当日につけた初値で上場来安値となる2920円を目前にし、PERも12倍台と売られ過ぎを示唆しており、底値感も台頭している。

■一気通貫の独自ビジネスモデルで病院の新築・移転案件を一括受注

 同社の前2019年9月期業績は、IPO時予想を売り上げが8億3600万円、利益が1700万円~8700万円上ぶれて着地し、売り上げ361億900万円(前々期比40.4%増)、営業利益11億9000万円(同84.3%増)、経常利益11億8400万円(同81.5%増)、純利益7億3200万円(同2.04倍)と高成長し、過去最高業績を大幅に更新した。病院の基本構想計画のコンサルティングから施設の設計・建設・増改築、医療機器の導入、開院、運用まで一括して受注する一気通貫のメディカルトータルソリューション事業で、新築・移転、病院の再編・統合に伴う医療機器の一括販売などの20億円以上の大型案件が4件、152億7700万円の売り上げとなったほか、スポット案件も好調に推移、同事業の売り上げ件数が14件(前々期11件)、売り上げが218億3100万円(同79億4100万円)へ伸び、遠隔画像診断サービス事業でも、導入医療機関や取扱件数が増加して増収増益となったことが要因となった。

 今2020年9月期業績は、メディカルトータルソリューション事業が端境期となり、大型案件は30億円の1件があるものの、受注件数は18件105億円と計画し、減収減益転換する。具体的には売り上げ260億4400万円(前期比27.9%減)、営業利益6億6500万円(同44.1%増)、経常利益6億6400万円(同43.9%減)、純利益4億4600万円(同39.1%減)と見込んでいる。ただ各都道府県で進められている「地域医療構想」では統合・再編を含めた病床変更や建築を伴う大型設備投資の増加や、一般病院でも3分の2が稼働年数が20年を超して新増改築需要が潜在、年間100件程度の案件の発生が見込まれるだけに中期的な高成長を支えることになる。また、今期配当は、上場記念配当5円を上乗せして年間45円(前期実績40円)に増配を予定している。

■底値を固め低PER・PBR修正でまず最高値からの調整幅の3分の1戻し

 株価は、2700円を公開価格にIPOされ2920円で初値をつけ即ストップ高、このあと2日間の連続ストップ高を交えて上場来高値5630円まで買い進まれ、公開価格比2.08倍の大化けを演じた。最高値後は、高人気の反動安もあって下値を探り、今9月期業績の減収減益転換予想では、ストップ安して3050円と売られた。同安値からは売られ過ぎとして3700円までリバウンド、足元では12月のIPOラッシュの影響も出て2964円まで再調整した。減益転換予想業績ベースでもPERは12倍台、PBRは1.24倍、配当利回りは1.51%と相対的に割り負けており、底値を固めてまず最高値から直近安値への調整幅の3分の1戻し水準の3852円を目指そう。(本紙編集長・浅妻昭治)

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