GMOクラウドは調整一巡、19年12月期増収増益予想

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 GMOクラウド<3788>(東1)は、サーバー貸出・管理サービスのクラウド・ホスティング事業、電子認証サービスのセキュリティ事業を主力として、ソリューション事業も展開している。19年12月期増収増益予想である。収益拡大を期待したい。株価は反発力の鈍い展開だが、調整一巡して出直りを期待したい。

■クラウド・ホスティング事業とセキュリティ事業が主力

 GMOインターネット<9449>の連結子会社で、サーバー貸出・管理サービスのクラウド・ホスティング事業、電子認証サービス(SSLサーバー証明書発行サービス、企業実在性認証サービスなど)のセキュリティ事業を主力として、小規模事業者向けインターネット関連サービスのソリューション事業も展開している。

 18年12月期の売上高構成比はクラウド・ホスティング事業43%、セキュリティ事業49%、ソリューション事業8%、営業利益構成比(連結調整前)はクラウド・ホスティング事業29%、セキュリティ事業95%、ソリューション事業▲23%だった。

 クラウド・ホスティング事業では、クラウド・ホスティングサービスの累計契約件数は18年12月期末時点で約10万件に達している。

 セキュリティ事業では、SSLサーバー証明書の国内市場シェアが、19年6月に50%を突破した。また安全なIoTデバイスのスピーディな開発をフルサポートする「IoT Developer Program」を、グローバルで提供開始している。

 12月16日には、自動車向けIoTソリューション「LINKDriveシステム」を活用したコネクテッドカー事業について、新会社のGMOモビリティクラウドを設立(20年1月予定)し、双日<2768>との合弁会社(20年3月予定)として運営すると発表した。

■19年12月期増収増益予想

 19年12月期連結業績予想は、売上高が18年12月期比10.0%増の140億15百万円、営業利益が10.0%増の15億50百万円、経常利益が4.0%増の15億50百万円、純利益が5.6%増の10億10百万円としている。配当予想は2円32銭増配の43円84銭(期末一括)である。

 第3四半期累計は、売上高が前年同期比2.3%増の96億75百万円、営業利益が0.5%減の10億71百万円、経常利益が6.2%減の10億92百万円、純利益が11.3%増の9億20百万円だった。純利益は前期計上の減損損失一巡が寄与した。

 クラウド・ホスティング事業(0.7%減収、2.3倍増益)は、従来のホスティングサービスが減少したが、コスト最適化効果で収益性が改善した。セキュリティ事業(6.3%増収、9.1%増益)は、国内・海外とも伸長し、為替変動のマイナス影響や新規投資に伴う費用増加を吸収した。ソリューション事業(0.1%減収、赤字拡大)は、AI・IoT関連やカークラウド事業などの新規事業関連費用の増加で赤字が拡大した。

 通期はIoT関連の新規事業投資などで費用が増加するが、セキュリティ事業の順調な拡大で増収増益予想である。セグメント別の計画は、クラウド・ホスティング事業が0.0%減収で0.3%増益、セキュリティ事業が14.4%増収で7.7%増益、ソリューション事業が26.1%増収で赤字縮小としている。

 第3四半期累計の進捗率は売上高69.0%、営業利益69.1%とやや低水準の形だが、通期ベースで収益拡大を期待したい。

■株主優待制度は毎年12月末時点で6ヶ月以上保有株主対象

 株主優待制度は毎年12月31日時点で、1単元(100)株以上・6ヶ月以上保有株主を対象として実施(詳細は会社HP参照)している。

■株価は調整一巡

 株価は反発力の鈍い展開だが、調整一巡して出直りを期待したい。12月24日の終値は2574円、今期予想連結PER(会社予想連結EPS87円68銭で算出)は約29倍、今期予想配当利回り(会社予想43円84銭で算出)は約1.7%、前期実績連結PBR(前期実績連結BPS502円75銭で算出)は約5.1倍、時価総額は約301億円である。(日本インタビュ新聞社アナリスト水田雅展)

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