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KeyHolderは底値圏、総合エンターテインメント事業で収益柱構築目指す
- 2019/12/26 08:12
- アナリスト水田雅展の銘柄分析
KeyHolder<4712>(JQ)は、総合エンターテインメント事業を中心に新たな収益柱構築を目指している。12月25日には角川春樹事務所との合弁会社設立を発表した。19年12月期(決算期変更で9ヶ月決算)黒字予想である。収益改善を期待したい。株価は8月の安値に接近しているが、ほぼ底値圏だろう。反発を期待したい。
■総合エンターテインメント事業で新たな収益柱構築目指す
Jトラスト<8508>グループで、17年10月旧アドアーズが持株会社へ移行して商号をKeyHolderに変更、18年3月子会社アドアーズを譲渡してアミューズメント施設運営領域から撤退した。19年3月期開始したライブ・エンターテインメントやテレビ番組制作等の総合エンターテインメント事業を中心に、新たな収益柱構築を目指している。既存の不動産事業および商業施設建築事業は堅実な拡大を目指す。
18年4月ライブ・イベントスペース運営子会社KeyStudioを設立、18年7月KeyProductionがテレビ番組制作事業を開始、タレント育成・マネージメントのFA Project(FAP)を設立した。
19年3月子会社SKEが芸能プロダクションAKSから譲り受けたSKE48事業を開始、19年3月SAMURAI&J PARTNERS<4764>と業務提携して新株予約権引き受け、19年4月広告・プロモーション企画制作のオルファス(allfuz)を完全子会社化、テレビ番組制作のフーリンラージを子会社化した。
19年5月フーリンラージが民事再生手続申し立てのイメージフィールドとスポンサー支援基本合意書を締結、19年6月カラコン事業を開始、19年7月SKEが商号をゼストに変更、オルファスがKeyStudioを吸収合併、フーリンラージがイメージフィールドから映像制作事業を譲り受け、19年8月フーリンラージがKeyProductionを吸収合併、フーリンラージが商号をUNITED PRODUCTIONSに変更、19年10月映像制作クリエイター・スタッフ派遣のワイゼンラージを子会社化した。
12月25日には角川春樹事務所と、各種イベント企画・運営およびモデル・タレントマネジメントの合弁会社ホールワールドメディアを設立(20年1月予定)すると発表した。
■19年12月期(決算期変更で9ヶ月決算)黒字予想
19年12月期連結業績(9ヶ月決算、IFRS)予想は、売上収益が150億円(12ヶ月決算の19年3月期は106億11百万円)、営業利益が4億円の黒字(同4億円の赤字)、親会社株主帰属純利益が3億円の黒字(同1億58百万円の赤字)としている。ライブ・エンターテインメントやテレビ番組制作を中心に収益改善を目指す方針だ。
第2四半期累計は売上高が60億25百万円(前年同期は46億20百万円)、営業利益が1億17百万円の赤字(同1億08百万円の赤字)、親会社株主帰属純利益が3億11百万円の赤字(同1億43百万円の赤字)だった。新規事業開始で大幅増収だが、商業施設建築事業の軟調や費用先行などで赤字継続した。
セグメント別には、総合エンターテインメント事業の売上収益が9億94百万円で利益が0百万円、映像制作事業の売上収益が17億12百万円で利益が9百万円、広告代理店事業の売上収益が4億07百万円で利益が49百万円、不動産事業の売上収益が23億43百万円で利益が1億77百万円、商業施設建築事業の売上収益が4億30百万円で利益が40百万円の赤字、その他事業の売上収益が1億36百万円で利益が39百万円の赤字だった。
なお第3四半期に、不動産事業において販売用不動産を売却して営業利益7億33百万円(概算値)を計上予定としている。通期ベースで収益改善を期待したい。
19年12月期の配当予想は19年3月期と同額の1円(期末一括)としている。株主優待制度は18年3月期末から対象株主を2000株(20単元)以上保有株主に変更した。また決算期変更に伴い、20年12月期から基準日を毎年6月30日(中間期末)に変更する。
■株価は底値圏
株価は8月の安値に接近しているが、ほぼ底値圏だろう。反発を期待したい。12月25日の終値は83円、時価総額は約128億円である。(日本インタビュ新聞社アナリスト水田雅展)