KeyHolderは底値圏、総合エンターテインメント事業で収益柱構築目指す

 KeyHolder<4712>(JQ)は、総合エンターテインメント事業を中心に新たな収益柱構築を目指している。12月25日には角川春樹事務所との合弁会社設立を発表した。19年12月期(決算期変更で9ヶ月決算)黒字予想である。収益改善を期待したい。株価は8月の安値に接近しているが、ほぼ底値圏だろう。反発を期待したい。

■総合エンターテインメント事業で新たな収益柱構築目指す

 Jトラスト<8508>グループで、17年10月旧アドアーズが持株会社へ移行して商号をKeyHolderに変更、18年3月子会社アドアーズを譲渡してアミューズメント施設運営領域から撤退した。19年3月期開始したライブ・エンターテインメントやテレビ番組制作等の総合エンターテインメント事業を中心に、新たな収益柱構築を目指している。既存の不動産事業および商業施設建築事業は堅実な拡大を目指す。

 18年4月ライブ・イベントスペース運営子会社KeyStudioを設立、18年7月KeyProductionがテレビ番組制作事業を開始、タレント育成・マネージメントのFA Project(FAP)を設立した。

 19年3月子会社SKEが芸能プロダクションAKSから譲り受けたSKE48事業を開始、19年3月SAMURAI&J PARTNERS<4764>と業務提携して新株予約権引き受け、19年4月広告・プロモーション企画制作のオルファス(allfuz)を完全子会社化、テレビ番組制作のフーリンラージを子会社化した。

 19年5月フーリンラージが民事再生手続申し立てのイメージフィールドとスポンサー支援基本合意書を締結、19年6月カラコン事業を開始、19年7月SKEが商号をゼストに変更、オルファスがKeyStudioを吸収合併、フーリンラージがイメージフィールドから映像制作事業を譲り受け、19年8月フーリンラージがKeyProductionを吸収合併、フーリンラージが商号をUNITED PRODUCTIONSに変更、19年10月映像制作クリエイター・スタッフ派遣のワイゼンラージを子会社化した。

 12月25日には角川春樹事務所と、各種イベント企画・運営およびモデル・タレントマネジメントの合弁会社ホールワールドメディアを設立(20年1月予定)すると発表した。

■19年12月期(決算期変更で9ヶ月決算)黒字予想

 19年12月期連結業績(9ヶ月決算、IFRS)予想は、売上収益が150億円(12ヶ月決算の19年3月期は106億11百万円)、営業利益が4億円の黒字(同4億円の赤字)、親会社株主帰属純利益が3億円の黒字(同1億58百万円の赤字)としている。ライブ・エンターテインメントやテレビ番組制作を中心に収益改善を目指す方針だ。

 第2四半期累計は売上高が60億25百万円(前年同期は46億20百万円)、営業利益が1億17百万円の赤字(同1億08百万円の赤字)、親会社株主帰属純利益が3億11百万円の赤字(同1億43百万円の赤字)だった。新規事業開始で大幅増収だが、商業施設建築事業の軟調や費用先行などで赤字継続した。

 セグメント別には、総合エンターテインメント事業の売上収益が9億94百万円で利益が0百万円、映像制作事業の売上収益が17億12百万円で利益が9百万円、広告代理店事業の売上収益が4億07百万円で利益が49百万円、不動産事業の売上収益が23億43百万円で利益が1億77百万円、商業施設建築事業の売上収益が4億30百万円で利益が40百万円の赤字、その他事業の売上収益が1億36百万円で利益が39百万円の赤字だった。

 なお第3四半期に、不動産事業において販売用不動産を売却して営業利益7億33百万円(概算値)を計上予定としている。通期ベースで収益改善を期待したい。

 19年12月期の配当予想は19年3月期と同額の1円(期末一括)としている。株主優待制度は18年3月期末から対象株主を2000株(20単元)以上保有株主に変更した。また決算期変更に伴い、20年12月期から基準日を毎年6月30日(中間期末)に変更する。

■株価は底値圏

 株価は8月の安値に接近しているが、ほぼ底値圏だろう。反発を期待したい。12月25日の終値は83円、時価総額は約128億円である。(日本インタビュ新聞社アナリスト水田雅展)

関連記事


手軽に読めるアナリストレポート
手軽に読めるアナリストレポート

最新記事

カテゴリー別記事情報

ピックアップ記事

  1. ■シスルナ経済圏構築に向け、グローバルなパートナーシップを強化  ispace(アイスペース)<9…
  2. 【先人の教えを格言で解説!】 (犬丸正寛=株式評論家・平成28年:2016年)没・享年72歳。生前に…
  3. ■物価高・人手不足が直撃、倒産件数29カ月連続で増加  帝国データバンクの調査によると、倒産件数が…
2024年11月
 123
45678910
11121314151617
18192021222324
252627282930  

ピックアップ記事

  1. ■化粧品大手は業績下方修正も、電鉄各社は上方修正で活況  トランプ次期大統領の影響を受けない純内需…
  2. どう見るこの相場
    ■金利敏感株の次は円安メリット株?!インバウンド関連株に「トランプ・トレード」ローテーション  米…
  3. ■金利上昇追い風に地銀株が躍進、政策期待も後押し  金利上昇の影響を受けて銀行株、特に地方銀行株の…
  4. ■トリプルセット行、ダブルセット行も相次ぐ地銀銀株は決算プレイで「トランプトレード」へキャッチアップ…

アーカイブ

「日本インタビュ新聞社」が提供する株式投資情報は投資の勧誘を目的としたものではなく、投資の参考となる情報の提供を目的としたものです。投資に関する最終的な決定はご自身の判断でなさいますようお願いいたします。
また、当社が提供する情報の正確性については万全を期しておりますが、その内容を保証するものではありません。また、予告なく削除・変更する場合があります。これらの情報に基づいて被ったいかなる損害についても、一切責任を負いかねます。
ページ上部へ戻る