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トーセは底値圏、21年8月期収益改善期待
- 2019/12/27 05:32
- アナリスト水田雅展の銘柄分析
トーセ<4728>(東1)は家庭用ゲームソフト開発・制作請負の専業最大手である。20年8月期は人材などの先行投資負担で減益予想である。21年8月期の収益改善を期待したい。株価は11月下旬に動意づく場面があったが、買いが続かず急反落した。ほぼ底値圏だろう。
■家庭用ゲームソフト開発・制作請負の専業最大手
家庭用ゲームソフト開発・制作請負の専業最大手で、デジタルエンタテインメント事業(ゲームソフト関連、モバイルコンテンツ関連、パチンコ・パチスロ関連などデジタルコンテンツの企画・開発・運営の受託)、その他事業(SI事業、家庭用カラオケ楽曲配信事業、コンサート事業やクレーンゲーム事業などの新規事業)を展開している。
収益は開発業務の進行に合わせて受け取る開発売上、コンテンツ配信後の運営に伴う運営売上、コンテンツ販売数量に基づくロイヤリティ売上である。大型案件の開発受託の有無や開発完了・売上計上時期などによって変動しやすい特性がある。またプロジェクトの大型化に伴って開発期間が長期化する傾向を強めている。
複雑化・多様化するゲーム市場において、豊富なパイプライン展開を可能とする多彩な技術ポートフォリオ、長年の実績とノウハウに基づく信用力、開発売上とストック型の運営売上を持つ安定的なビジネスモデルを特徴としている。
■20年8月期減益予想
20年8月期の連結業績予想は、売上高が19年8月期比3.7%減の51億52百万円、営業利益が37.7%減の2億26百万円、経常利益が36.1%減の2億58百万円、純利益が42.9%減の1億42百万円としている。配当予想は19年8月期と同額の25円(第2四半期末12円50銭、期末12円50銭)である。
売上高の計画は、デジタルエンタテインメント事業が8.1%減収(ゲームソフト関連が18.4%減収、モバイルコンテンツ関連が8.5%増収、パチンコ・パチスロ関連50.6%減収)、その他事業が40.8%増収としている。稼働プロジェクト数は減少しているが、案件大型化傾向で1億円規模のスマホ向け案件が増加見込みとしている。
利益面は人材への先行投資負担などで大幅減益予想としている。21年8月期の収益改善を期待したい。
■株価は底値圏
株価は11月下旬に動意づく場面があったが、買いが続かず急反落した。ほぼ底値圏だろう。12月26日の終値は879円、今期予想連結PER(会社予想連結EPS18円83銭で算出)は約47倍、今期予想配当利回り(会社予想25円で算出)は約2.8%、前期実績連結PBR(前期実績連結BPS780円70銭で算出)は約1.1倍、時価総額は約68億円である。(日本インタビュ新聞社アナリスト水田雅展)