【新春活躍期待の注目銘柄】両毛システムズは大化けの素地十分

注目銘柄

両毛システムズ<9691>(JQ)

●目標株価
第1目標 3000円(期間1か月)
第2目標 6000円(期間3か月)
第3目標10000円(期間6か月)

●注目ポイント
1.ソフトバンクとトヨタが立ち上げたMaaS(マース)開発の企業連合に参画。
2.国の行政9割電子化、マイナンバーカードの保有者にポイント付与が追い風に。
3.ミツバが親会社で光通信が保有、需給思惑から市場の関心が向くと期待。
3.今3月期第2四半期上振れ着地、18年ぶりに営業最高益更新が観測される。
4.9か月移動平均線が24か月移動平均線を上抜く、大化けの素地十分あり。

―ソフトバンクとトヨタが立ち上げたMaaS開発の企業連合に参画―

 両毛システムズは、地方自治体、水道事業者、エネルギー事業者、製造業、流通業、医療機関など、多様な市場にICTシステムやサービス、情報処理関連機器を提供しているが、12月16日にソフトバンクとトヨタ自動車の共同出資会社が立ち上げた次世代移動サービス「MaaS(マース)」を開発する企業連合「MONET(モネ)コンソーシアム」に加盟したと発表したことが注目される。

 両毛システムズは、2006年から自動車の電子制御システムの複雑化を見据えて組込分野に参入、モデルベース開発や機能安全をコア技術として、自動車メーカー・サプライヤーの開発力向上の支援にも取り組んでいるが、群馬大学と共同研究している完全自律型自動運転の技術力向上を図りながら、MONETコンソーシアム加盟企業と連携して次世代モビリティサービスの創造や、社会課題を解決する移動サービスの実用化を目指すとしている。

 群馬大学は、前橋市や群馬県桐生市の公道で自動運転の走行試験を進め、9月14日には相鉄バスと大型路線バスを使用した自動運転の第1回実証実験を神奈川県横浜市で実施。10月14日まで行なわれている実証実験では、横浜市内にある「よこはま動物園ズーラシア」から約900m離れた「里山ガーデンフェスタ 2019 秋」の会場を往復運行。この実証実験を皮切りに、横浜市内で相鉄バスが運行する路線内でも自動運転の早期実現に取り組み、自動運転「レベル4」による営業運転を目指しており、注目度は高い。

―国の行政9割電子化、マイナンバーカードの保有者にポイント付与が追い風に―

 また、政府は12月20日に行政の電子化に向けた新たな「デジタル・ガバメント実行計画」等を閣議決定したことも追い風となりそうだ。

 2024年度中に国の行政手続きの9割を電子化する方針を明らかにし、求人・求職や旅券(パスポート)の申請など約500の手続きの電子化に向けた工程表を示したほか、マイナンバーカードの保有者にポイント(マイナポイント)を付与する新制度に2458億円を充てることになったことから、地方公共団体向けに総合行政ソリューションや戸籍情報総合ソリューションを提供している同社にビジネスチャンスが広がる見通しだ。

―ミツバが親会社で光通信が保有、需給思惑から市場の関心が向くと期待―

 需給面では、自動車用製品(四輪電装)やバイク用製品(二輪電装)、駆動モーターなどを手掛けるミツバが、両毛システムズ株を179万株(51.1%)保有する親会社で、人事面では、両毛システムズの9名の役員の内ミツバ出身の役員は、取締役会長の日野昇氏と取締役相談役の秋山力氏、取締役(監査等委員)の市野澤邦夫氏の3名。

 ミツバへの販売実績は、全体の12.3%(19年3月期実績)程度だが、会長の日野昇氏はミツバの代表取締役会長であるうえ、ミツバの筆頭株主で主要取引銀行の横浜銀行は、両毛システムズの第2位株主で主要取引銀行にもなっており、親子上場解消の思惑が増幅する。
 加えて、2019年に株価4.3倍となったオリコンをはじめ、内田洋行、同社子会社のウチダエスコ等を保有していることで、市場の関心を集めている光通信が、両毛システムズ株を10万株(3.0%)保有していることも株価を十分刺激しそうだ。

―今3月期第2四半期上振れ着地、18年ぶりに営業最高益更新が観測される―

 足元の業績は、今2020年3月期第2四半期売上高80億1900万円(前年同期比27.4%増)、営業利益6億6600万円(同6.2倍)に着地。公共事業、社会産業の両セグメントにおいて、消費増税前の駆け込み需要と改元や、法改正等システム改修等が堅調で収益に貢献。第2四半期営業利益は計画に対して6600万円上回った。

 会社側は、消費増税前の駆け込み需要による反動減も懸念されるため、通期売上高160億円(前期比3.1%増)、営業利益7億5000万円(同5.8%増)を据え置いているが、18年ぶりに営業最高益更新が観測されている。

―9か月移動平均線が24か月移動平均線を上抜く、大化けの素地十分あり―

 株価は、2019年9月26日につけた年初来高値2110円から10月16日安値1611円まで調整を挟んで10月25日高値1974円と上昇。その後、1700円割れで下値を固め、週足では13週移動平均線がサポート、月足では9か月移動平均線が24か月移動平均線を上抜き騰勢を強めている。MaaS(マース)関連のテーマに乗り、親子上場解消の思惑に加え、光通信が保有しており、需給面から株価を刺激する材料に申し分ない。18期ぶりの営業最高益更新観測とあって、大化けの素地は十分ありそうだ。(株式評論家・長島和弘)

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