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ミロク情報サービスは上値試す、20年3月期増収増益予想で上振れの可能性
- 2020/1/8 08:03
- アナリスト水田雅展の銘柄分析
ミロク情報サービス<9928>(東1)は財務・会計ソフトの開発・販売・サービスを主力として、クラウドサービスやFinTech分野を強化している。20年3月期増収増益予想である。さらに上振れの可能性が高いだろう。収益拡大を期待したい。株価は18年2月の上場来高値に接近している。自律調整を交えながら上値を試す展開を期待したい。
■財務・会計ソフトの開発・販売およびサービスが主力
会計事務所(税理士・公認会計士事務所)と、その顧問先企業である中堅・中小企業向けに、財務・会計ソフトなどの業務用アプリケーションソフト開発・販売、汎用サーバ・パソコン・サプライ用品販売、運用支援・保守サービス、経営情報・コンサルティングサービスなどを展開している。会計事務所が抱えている課題を解決することで、中堅・中小企業支援にも繋がるトータルソリューションを強みとしている。
19年3月期の品目別売上高構成比は、システム導入契約売上高(システム導入契約時のハードウェア、ソフトウェア、システム導入支援サービスなどのユースウェア販売)が63%、サービス収入(会計事務所向け総合保守サービスTVS、ソフト使用料収入、企業向けソフトウェア運用支援サービス、ハードウェア・ネットワーク保守サービス収入、サプライ・オフィス用品など継続的な役務の対価)が32%、その他が6%だった。
収益はソフト保守サービス契約率上昇などでサービス収入が拡大するストック型収益構造である。全国約8400の会計事務所ユーザー、および約1万7000社の中堅・中小企業ユーザーを有し、ストック型収益が伸長して収益力が向上している。
■クラウドサービスやFinTech分野を強化
中期経営目標値は、M&Aの業績貢献を織り込まず、21年3月期売上高380億円、経常利益80億円、経常利益率21.1%、ROE22.8%としている。
基本方針として、新規顧客開拓のためのソリューションビジネスの強化、会計事務所・地域金融機関とのパートナーシップの強化、中小企業の経営・業務改善を支援するBtoBクラウドプラットフォーム「bizsky」事業の推進、開発体制の抜本改革と積極的な技術者採用・人材育成、グループ経営の強化、BPRによる生産性向上と働き方改革による従業員満足度の向上を掲げている。
■20年3月期増収増益予想、さらに上振れの可能性
20年3月期連結業績予想は、売上高が19年3月期比8.6%増の340億円、営業利益が20.0%増の62億円、経常利益が22.6%増の62億円、純利益が8.3%増の40億40百万円としている。配当は4円増配の38円(期末一括)である。
新規顧客獲得などで増収増益予想である。開発体制の抜本改革、グループ経営の強化、BPRによる生産性向上など、グループ全体の経営効率向上や経営基盤強化にも取り組む。
第2四半期累計は、売上高が前年同期比21.2%増の188億25百万円、営業利益が30.7%増の38億76百万円、経常利益が30.2%増の39億28百万円、純利益が34.1%増の26億07百万円だった。計画を上回る大幅増収増益だった。19年10月の消費税率引き上げや20年1月のWindows7サポート終了に伴って、ハードウェアのリプレース需要が想定を大きく上回り、キッティングや設置などのサービスに係る売上も好調に推移した。
なお品目別の売上は、システム導入契約売上高が26.6%増収(ハードウェアが52.8%増収、ソフトウェアが15.4%増収、ユースウェアが38.8%増収)で、サービス収入が9.4%増収(会計事務所向けTVSが13.1%増収、ソフト使用料収入が19.8%増収、企業向けソフトウェア運用支援サービスが6.7%増収、ハードウェア・ネットワーク保守サービス収入が1.9%増収、サプライ・オフィス用品が9.5%増収)だった。
第2四半期累計の進捗率は売上高が55.4%、営業利益が62.5%と高水準である。第3四半期以降のハードウェア需要増や製品開発に伴う売上原価の増加、人材強化や働き方改革に伴う費用増加などを勘案して通期予想を据え置いたが、上振れの可能性が高いだろう。収益拡大を期待したい。
■株価は上値試す
株価は18年2月の上場来高値に接近している。自律調整を交えながら上値を試す展開を期待したい。1月7日の終値は3330円、今期予想連結PER(会社予想連結EPS130円86銭で算出)は約25倍、今期予想配当利回り(会社予想の38円で算出)は約1.1%、前期実績連結PBR(前期実績連結BPS584円51銭で算出)は約5.7倍、時価総額は約1159億円である。(日本インタビュ新聞社アナリスト水田雅展)