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神鋼商事は戻り歩調、20年3月期減益予想だが保守的
- 2020/1/8 08:02
- アナリスト水田雅展の銘柄分析
神鋼商事<8075>(東1)は鉄鋼や非鉄金属関連の専門商社で、KOBELCO(神戸製鋼グループ)の中核となるグローバル商社を目指している。20年3月期は不透明感が強いとして減益予想だが、やや保守的だろう。株価は下値を切り上げて戻り歩調だ。出直り本格化を期待したい。
■KOBELCO(神戸製鋼グループ)の中核商社
神戸製鋼所<5406>系で鉄鋼製品、鉄鋼原料、非鉄金属、機械・情報、溶接材料・機器などを扱う専門商社である。M&Aも積極活用し、KOBELCO(神戸製鋼グループ)の中核となるグローバル商社を目指している。
19年3月期のセグメント別経常利益(連結調整前)構成比は、鉄鋼51%、鉄鋼原料14%、非鉄金属20%、機械・情報15%、溶材4%、その他マイナス4%である。
中期経営計画の目標値には21年3月期売上高8900億円、経常利益80億円、純利益52億円、海外取引比率50%、自己資本比率20%以上、ROE8%以上、D/Eレシオ1.0倍、投資計画4年間合計300億円などを掲げている。
■20年3月期減益予想だが保守的
20年3月期の連結業績予想は、売上高が19年3月期比2.9%増の9800億円、営業利益が12.9%減の69億円、経常利益が12.7%減の70億円、純利益が8.3%減の46億円としている。配当は19年3月期と同額の110円(第2四半期末55円、期末55円)である。セグメント別の経常利益計画は、鉄鋼が36億円、鉄鋼原料が11億円、非鉄金属が16億円、機械・情報が10億円、溶材が4億円である。
第2四半期累計は売上高が前年同期比4.9%増の4847億74百万円、営業利益が0.5%増の35億84百万円、経常利益が13.5%減の33億88百万円、純利益が41.2%減の17億24百万円だった。
鉄鋼は6.7%増収だが海外子会社等の減益影響で32.5%経常減益、鉄鋼原料は11.3%増収だが海外子会社の数量減少で0.6%経常減益、非鉄金属は銅板条やアルミ押出材の数量減少などで7.8%減収・30.4%経常減益、機械・情報は大型圧縮機や電池用材料の増加で10.3%増収・13.1倍経常増益、溶材は数量増加で8.2%増収・77.1%経常増益だった。
第2四半期累計の進捗率は売上高49.5%、経常利益48.4%と順調である。通期は不透明感が強いとして減益予想だが、やや保守的だろう。
■株価は戻り歩調
株価は下値を切り上げて戻り歩調だ。出直り本格化を期待したい。1月7日の終値は2745円、今期予想連結PER(会社予想連結EPS519円48銭で算出)は約5倍、今期予想配当利回り(会社予想110円で算出)は約4.0%、前期実績連結PBR(前期実績連結BPS5946円33銭で算出)は約0.5倍、時価総額は約243億円である。(日本インタビュ新聞社アナリスト水田雅展)