【株式評論家の視点】昭栄薬品はオレオケミカルの専門商社、自社株買い実施に光通信が保有
- 2020/1/9 06:52
- 株式評論家の視点
昭栄薬品<3537>(JQS)は、2016年3月16日、東京証券取引所JASDAQ市場に上場。同社及び海外子会社2社により構成され、オレオケミカルの専門商社として多種多様な化学品の中でも、資源に限りがある石油化学品とは異なり、再生産が可能で環境負荷が低いパーム及びヤシ等の天然油脂由来の油脂化学品(「オレオケミカル」)を主に取扱う化学品事業を主たる事業としている。
主力の化学品事業では、花王を主要な仕入先として事業活動を行っており、現在は同社の国内主要代理店として、同社のオレオケミカルを界面活性剤等の化学品メーカーに、同社の界面活性剤等を洗浄剤及び香粧品メーカー等の幅広い業界に販売している。また、これを同事業の基礎として、家庭用洗剤等を取扱う日用品事業、及び地盤改良やコンクリートの補修補強材料等を取扱う土木建設資材事業を運営している。
足元の業績は、今2020年3月期第2四半期業績実績が、売上高90億5700万円(前年同期比12.3%減)、営業利益8600万円(同42.1%減)、経常利益1億6400万円(同29.9%減)、純利益1億5500万円(同2.1%減)に着地。第2四半期期間における同社グループの事業とかかわりの深い界面活性剤業界の生産・販売活動は低調となり、主要得意先からの受注が大きく減少したほか、一部原材料価格(天然油脂相場価格)が低水準で推移し、当初計画を下振れした。
今20年3月期業績予想は、売上高178億4100万円(前期比11.3%減)、営業利益1億2000万円(同56.2%減)、経常利益2億5600万円(同37.5%減)、純利益2億3200万円(同14.8%減)を見込む。年間配当は期末一括18円継続を予定している。
株価は、2019年8月30日につけた昨年来の安値864円から同11月12日に昨年来の高値1213円と上昇。1100円どころを下値としたモミ合いが続いている。同社は、19年11月11日から20年3月31日まで10万株(2.79%相当)・2億円を上限に自社株買いを実施中で、19年12月31日現在45,800株・52,627,700円を取得済み。今後も自社株買いは続くと見られるほか、財務省昨年11月6日受付の変更報告書で、光通信が保有する昭栄薬品株は、196,000株(5.07%)から218,000株(6.09%)と増加したことも需給面から下支えすると予想される。PBR0.51倍と割り負けしており、外部環境が悪化し、売り込まれる場面があれば、買い好機と考える。(株式評論家・信濃川)