- Home
- アナリスト水田雅展の銘柄分析
- アイリックコーポレーションは反発の動き、20年6月期2桁増益予想
アイリックコーポレーションは反発の動き、20年6月期2桁増益予想
- 2020/1/23 05:55
- アナリスト水田雅展の銘柄分析
アイリックコーポレーション<7325>(東マ)は、自社開発の保険分析・検索システムを活用した来店型保険ショップ「保険クリニック」を直営とFCで展開し、Fintech企業として成長を目指している。20年6月期2桁増益予想である。収益拡大を期待したい。株価は反発の動きを強めている。調整一巡して戻りを試す展開を期待したい。
■来店型保険ショップ「保険クリニック」やシステム開発を展開
自社開発した業界唯一のワンストップ型保険分析・検索システム「保険IQシステム」を活用し、来店型保険ショップ「保険クリニック」を直営とFCで全国展開している。19年6月期末の店舗数は直営38店舗、FC159店舗である。
Fintech企業として成長を目指し、19年1月子会社インフォディオが保険証券をテキストデータ化する「保険証券OCRサービス」を開始した。19年11月には新光FPサービスが運営する来店型保険ショップ事業の一部(2店舗)を譲り受けた。
事業区分は、来店型保険ショップ直営店と法人向け営業の保険販売事業、来店型保険ショップFC部門やAS部門(保険分析・検索システム提供)のソリューション事業、子会社インフォディオが展開するスマートOCR(AI搭載次世代型OCR)開発・提供のシステム事業としている。
保険販売事業は保険会社からの手数料、FC部門は初期登録料・月額利用料・ロイヤリティおよび保険会社からの共同募集手数料、AS部門はシステム利用料が主な収益となる。
中期成長戦略として直営店の出店拡大、他業界からの出店によるFC店の拡大、証券分析代行サービスの拡大、スマートOCRの展開加速などを推進する。
■20年6月期2桁営業増益予想
20年6月期の連結業績予想は、売上高が19年6月期比8.3%増の41億91百万円、営業利益が12.1%増の6億31百万円、経常利益が16.3%増の6億36百万円、純利益が22.3%増の4億円としている。
売上高の計画は、保険販売事業(直営店売上、法人営業売上)が税制改正に伴う一部法人向け商品の販売停止の影響で1.5%減収、ソリューション事業(FC店初期登録料・月額利用料)がFC店舗数増加やASシリーズのID数増加で30.8%増収、システム事業(受託開発、スマートOCR)がスマートOCRの拡大で24.4%増収としている。
第1四半期は、売上高が前年同期比14.1%増の9億73百万円だが、営業利益が7.0%減の1億09百万円だった。保険販売事業が直営店売上の好調で9.2%増収、ソリューション事業が大手金融機関からの証券分析代行サービスの受注などで24.3%増収、システム事業がスマートOCRの拡大などで36.5%増収と伸長したが、TVCM放映に伴う一時的費用の発生などで営業減益だった。なお経常利益は13.0%増の1億09百万円、純利益は9.9%増の66百万円と順調だった。
第1四半期が営業減益となり、営業利益進捗率も17.2%と低水準の形だが、一時的費用の発生が主因であり、売上高進捗率は23.2%と概ね順調である。通期ベースで収益拡大を期待したい。
■株価は反発の動き
株価(19年4月1日付で株式2分割)は反発の動きを強めている。調整一巡して戻りを試す展開を期待したい。1月22日の終値は1499円、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS46円85銭で算出)は約32倍、今期予想配当利回り(会社予想の10円で算出)は約0.7%、前期実績連結PBR(前期実績の連結BPS392円06銭で算出)は約3.8倍、時価総額は約128億円である。(日本インタビュ新聞社アナリスト水田雅展)