インフォコムは上値試す、20年3月期2桁増収増益予想で3Q累計順調
- 2020/2/3 06:13
- 株式投資ニュース
インフォコム<4348>(東1)はITサービスや電子コミック配信サービスを主力としている。20年3月期2桁増収増益予想で、第3四半期累計は大幅増益と順調だった。なお20年3月期の配当予想を上方修正した。21年3月期も収益拡大を期待したい。株価は高値更新の展開だ。自律調整を交えながら上値を試す展開を期待したい。
■ITサービス事業とネットビジネス事業を展開
帝人<3401>グループで、ITサービス(医療機関・製薬企業・介護事業者向けヘルスケア事業、一般企業向けSIのエンタープライズ事業、RPAとAIを活用したERPソフト「GRANDIT」や緊急連絡・安否確認サービスなどのサービスビジネス事業)と、一般消費者向けネットビジネス(子会社アムタスの電子コミック配信サービス「めちゃコミック」、女性向け・音楽系デジタルコンテンツ提供)を展開している。
19年3月期セグメント別(連結調整前)売上構成比はITサービス47%、ネットビジネス53%、営業利益構成比はITサービス36%、ネットビジネス64%だった。電子コミック配信サービスの拡大でネットビジネスが利益柱に成長している。ITサービス事業は年度末にあたる第4四半期の構成比が高い特性がある。ヘルスケア事業は病院・介護分野サービスを強化し、東南アジアでヘルスケア領域に特化した新規事業も展開する方針だ。
19年5月アムタスが韓国で電子コミック配信サービスを展開するピーナトゥーンを子会社化、アムタスとパピレス<3641>が海外への取次事業を行う共同出資会社アルド・エージェンシー・グローバル(AAG)を設立、介護人材紹介事業のスタッフプラスを子会社化、19年7月「めちゃコミック」スマホ向けアプリの提供を開始、19年10月ヘルスケア分野に特化したベンチャーキャピタルHealthXCapitalが運営するファンドに出資、19年12月製薬企業向けMR営業支援プラットフォーム「DigiPro」の音声入力機能強化に向けてアドバンスト・メディアと業務提携した。
■電子コミックとヘルスケアで持続成長
新中期経営計画(21年3月期~23年3月期)では、基本方針を電子コミックとヘルスケアを重点事業とする持続成長、サービス化による事業構造改革の推進、共創の積極的推進(M&A、海外展開)として、経営目標数値には、23年3月期売上高850億円~1150億円、EBITDA(営業利益+償却費)130億円~160億円、ROE15.0%以上を掲げた。
■20年3月期2桁増収増益予想で3Q累計順調
20年3月期の連結業績予想(10月30日に売上高、利益とも上方修正)は、売上高が19年3月期比13.1%増の585億円、営業利益が19.0%増の82億円、経常利益が19.3%増の82億円、純利益が15.0%増の55億円としている。配当予想は1月30日に期末2円上方修正し、19年3月1日付株式2分割遡及修正後で9円増配の31円(第2四半期末10円、期末21円)としている。
セグメント別計画は、ITサービスの売上高が3.2%増の250億円(うちヘルスケアが8.7%増の106.5億円)で営業利益が16.6%増の29億円、ネットビジネスの売上高が21.9%増の335億円(うち電子コミック配信サービスが24.5%増の332億円)で営業利益が20.7%増の53億円としている。
第3四半期累計は、売上高が前年同期比16.0%増の412億00百万円、営業利益が53.2%増の58億27百万円、経常利益が51.8%増の58億42百万円、純利益が46.4%増の39億76百万円だった。重点事業(電子コミック、ヘルスケア)が好調に推移した。
ITサービスは9.4%増収で3.5倍増益だった。病院・企業向けが好調に推移し、利益面では売上構成差も寄与した。ネットビジネスは21.2%増収(うち電子コミックが24.0%増収)で20.6%増益だった。電子コミック配信サービスが好調に推移した。
20年3月期は重点事業(電子コミック、ヘルスケア)が好調に推移して大幅増収増益予想である。21年3月期も収益拡大を期待したい。
■株主優待制度は毎年9月末の株主対象
株主優待制度は毎年9月30日現在で1単元(100株)以上保有株主を対象として、保有株数および保有年数に応じて、優待商品と交換できる株主優待ポイントを贈呈(詳細は会社HP参照)する。
■株価は上値試す
株価は19年8月の高値を突破した。上場来高値更新の展開だ。自律調整を交えながら上値を試す展開を期待したい。1月31日の終値は3060円、今期予想連結PER(会社予想連結EPS100円53銭で算出)は約30倍、今期予想配当利回り(会社予想31円で算出)は約1.0%、前期実績連結PBR(前期実績連結BPS595円05銭で算出)は約5.1倍、時価総額は約1763億円である。(日本インタビュ新聞社アナリスト水田雅展)