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カーリットホールディングスは21年3月期収益改善期待
- 2020/2/4 13:31
- アナリスト水田雅展の銘柄分析
カーリットホールディングス<4275>(東1)は、化学品事業、ボトリング事業、産業用部材事業を展開している。20年3月期減益予想で、第3四半期累計は大幅減益だった。21年3月期の収益回復を期待したい。株価は軟調展開だが、ほぼ底値圏だろう。
■化学品、ボトリング、産業用部材を展開
化学品事業(産業用爆薬、自動車用緊急保安炎筒、危険性評価試験、電池受託評価試験、塩素酸ナトリウム、ロケット固体推進薬原料、電気二重層キャパシタ用電解液、イオン導電材料等)、ボトリング事業(飲料のボトリング加工)、産業用部材事業(半導体用シリコンウェーハ、耐火・耐熱金物、ばね・座金など)を展開している。
19年3月期のセグメント別(その他・消去前)の売上高構成比は化学品45%、ボトリング38%、産業用部材17%、営業利益構成比は化学品63%、ボトリング22%、産業用部材15%だった。
■新製品の早期上市を推進
中期経営計画の目標数値には22年3月期売上高650億円、営業利益30億円、ROE8%を掲げ、重点戦略は研究開発・新規事業(宇宙開発事業、二次電池関連事業、ヘルスケア材料、新規機能材料・半導体材料)における新製品早期上市に向けた体制強化、M&Aによる伸長分野への積極投資、ASEANを中心とした海外市場への積極展開としている。
■21年3月期収益改善期待
20年3月期連結業績予想(10月31日に下方修正)は、売上高が19年3月期比7.5%減の500億円、営業利益が24.8%減の17億50百万円、経常利益が25.5%減の19億円、純利益が43.0%減の9億円としている。配当予想は19年3月期と同額の12円(期末一括)である。
半導体関連や設備投資関連の需要減速で、化学品では電子材料、産業用部材ではシリコンウェーハとばね・座金が影響を受ける。ボトリングで一部製造ライン不具合発生に伴って稼働を一時停止し、全面リニューアルを実施したことも影響する。
第3四半期累計は売上高が前年同期比9.4%減の364億81百万円、営業利益が36.4%減の10億97百万円、経常利益が34.2%減の12億80百万円、純利益が63.6%減の4億77百万円だった。化学品(7.1%減収で29.4%減益)と産業用部材(13.0%減収で赤字化)は需要減速、ボトリング(12.7%減収で88.6%減益)は製造ライン不具合による一時的稼働停止が影響した。当該製造ラインのリニューアルは第2四半期期間中にすべて完了しており、以降は安定稼働を再開している。
第3四半期累計の進捗率が低水準であり、第4四半期は新型肺炎による中国経済停滞の影響も懸念される。再下振れにも注意が必要だが、21年3月期の収益改善を期待したい。
■株主優待制度は毎年3月末の株主対象
株主優待制度は毎年3月末時点の株主を対象として、保有株式数および保有期間に応じてギフトカードを贈呈(詳細は会社HP参照)する。
■株価は底値圏
株価は軟調展開だが、ほぼ底値圏だろう。2月3日の終値は568円、今期予想連結PER(会社予想連結EPS38円02銭で算出)は約15倍、今期予想配当利回り(会社予想12円で算出)は約2.1%、前期実績連結PBR(前期実績連結BPS1130円06銭で算出)は約0.5倍、時価総額は約137億円である。(日本インタビュ新聞社アナリスト水田雅展)