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神鋼商事は調整一巡、20年3月期3Q累計減益だが進捗率順調
- 2020/2/6 07:06
- アナリスト水田雅展の銘柄分析
神鋼商事<8075>(東1)は鉄鋼や非鉄金属関連の専門商社で、KOBELCO(神戸製鋼グループ)の中核となるグローバル商社を目指している。20年3月期第3四半期累計は減益だった。通期も不透明感が強いとして減益予想だが、第3四半期累計の進捗率が順調であり、通期上振れ余地がありそうだ。株価は昨年来高値圏から反落したが、調整一巡して出直りを期待したい。
■KOBELCO(神戸製鋼グループ)の中核商社
神戸製鋼所<5406>系で鉄鋼製品、鉄鋼原料、非鉄金属、機械・情報、溶接材料・機器などを扱う専門商社である。M&Aも積極活用し、KOBELCO(神戸製鋼グループ)の中核となるグローバル商社を目指している。
19年3月期のセグメント別経常利益(連結調整前)構成比は、鉄鋼51%、鉄鋼原料14%、非鉄金属20%、機械・情報15%、溶材4%、その他マイナス4%である。
中期経営計画の目標値には21年3月期売上高8900億円、経常利益80億円、純利益52億円、海外取引比率50%、自己資本比率20%以上、ROE8%以上、D/Eレシオ1.0倍、投資計画4年間合計300億円などを掲げている。
■20年3月期3Q累計減益だが進捗率順調
20年3月期の連結業績予想は、売上高が19年3月期比2.9%増の9800億円、営業利益が12.9%減の69億円、経常利益が12.7%減の70億円、純利益が8.3%減の46億円としている。配当は19年3月期と同額の110円(第2四半期末55円、期末55円)である。セグメント別の経常利益計画は、鉄鋼が36億円、鉄鋼原料が11億円、非鉄金属が16億円、機械・情報が10億円、溶材が4億円としている。
第3四半期累計は売上高が前年同期比0.5%増の7163億27百万円、営業利益が8.1%減の58億73百万円、経常利益が18.7%減の53億68百万円、純利益が23.1%減の31億22百万円だった。
鉄鋼は1.0%増収だが海外子会社等の減益影響で25.3%経常減益、鉄鋼原料は4.5%増収だが海外子会社の数量減少で35.6%経常減益、非鉄金属は銅板条やアルミ製品の需要減少などで8.1%減収・23.1%経常減益、機械・情報は大型圧縮機や電池用材料などの増加で8.0%増収・11.7%経常増益、溶材は建築鉄骨向け数量増加などで4.1%増収・2.3倍経常増益だった。
第3四半期累計の進捗率は売上高73.1%、経常利益76.7%と順調である。通期は不透明感が強いとして減益予想だが、上振れ余地がありそうだ。
■株価は調整一巡
株価は昨年来高値圏から反落したが、調整一巡して出直りを期待したい。2月5日の終値は2493円、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS519円48銭で算出)は約5倍、今期予想配当利回り(会社予想110円で算出)は約4.4%、前期実績連結PBR(前期実績連結BPS5946円33銭で算出)は約0.4倍、時価総額は約221億円である。(日本インタビュ新聞社アナリスト水田雅展)