加賀電子は第3四半期の営業、経常利益が最高を更新し3月通期の予想を増額修正

■EMS事業が好調で富士通エレクトロニクスも期初から寄与

加賀電子<8154>(東1)が4月6日の取引終了後に発表した2020年3月期の第3四半期連結決算(2019年4月~12月累計)は、営業利益が前年同期比34.5%増加して77.32億円を確保するなど好調で、あわせて3月通期の連結業績見通しを増額修正した。

 この第3四半期累計期間は、19年1月に連結化した富士通エレクトロニクス株式会社(非上場)の業績が期初から寄与したことも加わり、売上高は同95.0%増加して3388.01億円となり、営業利益は同34.5%増加、親会社株主に帰属する四半期純利益は同1.0%増加して49.24億円となった。営業利益および経常利益は、この期間としての最高を更新した。

■旧・十和田パイオニアもグループ化しEMS拡大の基盤構築進む

 19年10月には、旧・十和田パイオニア株式会社(非上場)をグループ化して加賀EMS十和田株式会社が発足し、同月には福島新工場が稼働を開始し、12月にはタイ第2工場も稼働を開始するなど、EMS(受託製造)事業を拡大する基盤の構築が進み、「中期経営計画2021」に掲げる施策が着実に進展した。

 電子部品事業では、EMSビジネスが医療機器、車載関連向けを中軸として順調に推移した。また、部品販売ビジネスは車載向けや民生向けのLEDなどが順調だったことに加え、富士通エレクトロニクスのグループ会社化により携帯電話、車載向けを中心とした新たな収益が加わった。一方、情報機器事業とソフトウェア事業は、大口顧客の置き換え需要の一服や、販売先の納期調整、開発日程の延伸により拡大一服となった。

 こうした推移を受け、3月通期の見通しは、中核事業である電子部品事業が想定を上回る見込みとなった。利益面でも、売上増にともなう売上総利益の増加、人員減に伴う人件費の減少やその他経費の抑制などにより、従来予想を上回る見込みになった。

 このため、今3月期の連結業績見通しは、売上高を従来予想比2.8%引き上げて4420億円(前期比51.0%の増加)に修正し、営業利益は同じく28.6%引き上げて90.0億円(同18.9%の増加)に修正した。親会社株主に帰属する当期純利益は、先行き不透明な内外情勢の変化に備えた構造改革関連の費用計上などを見込んで据え置き、50.0億円(同37.6%減)とした。予想1株利益は182円17銭。(HC)

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