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パイプドHDは上値試す、20年2月期大幅増益予想
- 2020/2/7 04:24
- アナリスト水田雅展の銘柄分析
パイプドHD<3919>(東1)は情報資産プラットフォーム「スパイラル」を基盤として、情報資産プラットフォーム事業や販促CRMソリューション事業などを展開している。20年2月期大幅増益予想である。収益拡大を期待したい。株価は1月の高値から反落したが切り返しの動きを強めている。自律調整を交えながら上値を試す展開を期待したい。
■情報資産プラットフォーム事業などを展開
国内最大規模の情報資産プラットフォーム「スパイラル」を基盤として事業展開している。
セグメント区分は、機能別事業群の情報資産プラットフォーム事業(スパイラルやBizBaseなどのクラウドサービス提供)、販促CRMソリューション事業(Webシステムの開発、ECサイトの構築・運営支援)、広告事業(インターネット広告代理販売)、および分野別事業群のxTech事業(ArchiTech:BIM事業、BeauTech:美歴、HRTech:オーダーメイド人材育成代行、FinTech:エルコイン)、社会イノベーション事業(政治山、I LOVE 下北沢、シモキタコインの運営)としている。
19年2月期の売上構成比は情報資産プラットフォーム事業67.7%、販促CRMソリューション事業18.9%、広告事業8.9%、xTech事業3.0%、社会イノベーション事業1.5%だった。
情報資産プラットフォーム事業は、契約数増加に伴って月額サービス収入が拡大するストック型の収益構造である。広告事業の売上高は、広告枠の仕入高を売上高から控除する純額表示(ネット表示)としている。
■中期経営計画のテーマは「リ・イノベーション」
中期経営計画2020ではテーマに「リ・イノベーション」を掲げている。重点戦略として、リアルビジネスとの接点の強化、イノベーティブな事業への挑戦、グループ全体の採用・育成の強化、グループ各社の情報資産の有効活用を推進する。
18年3月には電子地域通貨プラットフォームを提供するエルコインの子会社としてシモキタコインを設立した。エルコインの電子地域通貨プラットフォーム発行事業者第1号として、下北沢で行われるイベントや商業施設等で利用される電子地域通貨を発行する。
19年5月には政治・選挙情報サイト「政治山」を運営するVOTE FORと、自治体向けオープンデータ化・活用サービス「マイ広報紙」を展開するパブリカが合併(存続会社VOTE FOR)した。営業強化や共通コスト削減などで収益性向上を推進する。
20年1月には投資事業を行う新会社ダブルシャープ・パートナーズ設立(20年3月予定)を発表した。20年夏頃まで(予定)に投資ファンドを設立する。なお赤字が続いていた人材育成代行事業の子会社ブルームノーツについては解散(20年夏頃清算結了予定)する。
■20年2月期大幅増益予想
20年2月期連結業績予想は、売上高が19年2月期比19.9%増の65億円、営業利益が2.0倍の12億円、経常利益が2.0倍の11億90百万円、純利益が5.0倍の7億円としている。配当予想は9円増配の21円(第2四半期末9円、期末12円)である。
情報資産プラットフォーム事業におけるスパイラルの拡販、販促CRMソリューション事業におけるデジタルCRMの伸長、広告事業における動画広告拡大など全セグメントで増収を見込み、増収効果で人件費増加などを吸収する。純利益は減損損失一巡も寄与する。
第3四半期累計は、売上高が前年同期比11.8%増の45億05百万円、営業利益が3.2倍の9億08百万円で、経常利益が3.4倍の9億23百万円、純利益が3.6倍の5億85百万円だった。
情報資産プラットフォーム事業が12.9%増収で47.5%営業増益、広告事業が59.9%増収で3.8倍営業増益と牽引した。販促CRMソリューション事業は12.2%減収だが74.4%営業増益と損益改善した。xTech事業は6.9%増収、社会イノベーション事業は0.5%増収だが、いずれも赤字が残った。
第3四半期累計の進捗率は売上高69.3%、営業利益75.7%と順調である。通期も収益拡大を期待したい。
■株価は上値試す
株価は1月の高値から一旦反落したが切り返しの動きを強めている。自律調整を交えながら上値を試す展開を期待したい。2月6日の終値は1960円、今期予想連結PER(会社予想連結EPS92円04銭で算出)は約21倍、今期予想配当利回り(会社予想21円で算出)は約1.1%、前期実績連結PBR(前期実績連結BPS316円66銭で算出)は約6.2倍、時価総額は約159億円である。(日本インタビュ新聞社アナリスト水田雅展)