【編集長の視点】ALiNKは3Q高利益進捗率業績を見直し直近IPO株人気を再燃させ反発
- 2020/2/13 07:59
- 編集長の視点
ALiNKインターネット<7077>(東マ)は、前日12日に60円高の3515円と3営業日ぶりに反発して引け、2月3日につけた直近安値3170円からの出直りを鮮明化させた。同社株は、昨年12月10日に新規株式公開(IPO)され、IPO後の初決算として発表された今2020年2月期第3四半期(2019年3月~11月期、3Q)業績が、IPO時の今2月期通期予想業績に対して高利益進捗率を示したことを見直し直近IPO株買いが再燃した。テクニカル的にも、この3Q好決算発表をキッカケにダブルボトムを形成しており、IPO時に示した急騰劇の再燃期待を高めている。
■気象・防災リスクの関心が高まり「tenki.jp」のユーザー数が順調推移
3Q業績は、売り上げ5億9400万円、営業利益3億1000万円、経常利益2億9100万円、経常利益2億9100万円、純利益1億9100万円で着地した。3Q決算は初作成となるため、前年同期比較はないが、今2月期通期予想業績に対する進捗率は、売り上げが85.5%と目安の75%を大きく上回り、営業利益は97.7%、経常利益は99.6%と9カ月実績で年間予想をほぼクリアし、実際に純利益は100.4%と年間予想をオーバーした。
同社は、日本気象協会と共同で天気予報専門サイト「tenki.jp」を運営しており、前2019年2月期実績で、ページビュー(PV)が約40億PVに達し、ツイッターアカウントも約280万フォロワーを誇り、売り上げの9割以上が運用型広告収入で占められており、世界的な異常気象の発生で一般ユーザーの気象・防災リスクへの関心が高まる好事業環境下、ユーザー数が順調に積み上がったことなどが要因となった。
今2月期通期業績は、IPO時予想を据え置き売り上げ6億9400万円(前期比横ばい)、営業利益3億1700万円(同9.3%減)経常利益2億9200万円(同15.0%減)、純利益1億8300万円(同20.9%減)と見込んでいる。人件費や外注費の増加、IPOに向けた体制整備などの上場関連費用の増加で、過去最高業績の前期から減益転換を予想しているものだが、3Qの高利益進捗率決算から業績の上ぶれ期待も高めている。
■足元のダブルボトムからネックラインを上抜き全値戻しに弾み
株価は、1700円を公開価格にIPOされ買い気配値を切り上げながら上場2日目に4020円で初値をつけ即ストップ高、上場来高値5340円まで買い進まれる高人気となった。その後、下値を探る動きが続き上場来安値3020円まで調整し、今期3Q好決算の発表で4485円の戻り高値まで1000円高した。足元では、新型肺炎の感染拡大による全般相場急落に巻き込まれて3170円まで再調整し、ダブルボトムを形成した。2月7日から再開された2020年のIPOは順調に推移しており、全般波乱相場下、直近IPO株への見直しが強まる展開も想定され、ダブルボトムからネックラインの4485円を上抜き、全値戻しに弾みをつけよう。(本紙編集長・浅妻昭治)