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インテージホールディングスは調整一巡、20年6月期3Q累計順調
- 2020/2/14 05:14
- アナリスト水田雅展の銘柄分析
インテージホールディングス<4326>(東1)は市場調査事業を主力として、システムソリューション分野や医薬情報分野にも展開している。20年6月期(決算期変更で15ヶ月決算)は、12ヶ月分(19年4月~20年3月)の比較で増収増益予想としている。第3四半期累計は概ね順調だった。通期ベースでも収益拡大を期待したい。株価は上値を切り下げる形だが、調整一巡して出直りを期待したい。
■国内首位の市場調査が主力
子会社インテージのSCI(全国個人消費者パネル調査)やi-SSP(インテージシングルソースパネル)など、国内首位・世界10位(GRBN 2018 Global Top25 Report)の市場調査事業を主力として、システムソリューション分野や医薬情報分野にも展開している。収益面では期後半の構成比が高い特性がある。
19年3月期のセグメント別売上構成比は、消費財・サービス分野のマーケティング支援事業(事業会社インテージ、インテージリサーチ、アクセス・ジェーピー、海外子会社)63%、ヘルスケア分野のマーケティング支援事業(事業会社アンテリオ、アスクレップ、医療情報総合研究所、プラメドなど)24%、ITソリューション分野のビジネスインテリジェンス事業(事業会社インテージテクノスフィア)13%、営業利益構成比は消費財・サービス分野のマーケティング支援事業52%、ヘルスケア分野のマーケティング支援事業38%、ITソリューション分野のビジネスインテリジェンス事業11%である。
消費財・サービス分野では、次世代SRI(全国小売店パネル調査)サービスのSRI+およびECデータについて、21年1月本リリース(ECデータは20年1月本リリース、21年1月SRI+と統合)予定としている。また20年2月にはインテージシンガポールのモバイルパネル事業を推進するため、マーケティングアプリケーションズ(MApps)がdataSpring事業を切り出して設立する新会社を子会社化予定である。
ヘルスケア分野ではフォーメーションを再構築するため、19年4月にアンテリオがアスクレップを吸収合併(新商号インテージヘルスケア)し、直下に医療情報総合研究所、プラメド、Plamed Korea、京都コンステラ・テクノロジーズ、協和企画(18年9月子会社化)の5社を置く体制とした。
ITソリューション分野のビジネスインテリジェンス事業では、18年3月システム開発のビルドシステムを子会社化、18年10月システム開発のエヌ・エス・ケイを子会社化、19年4月アルゴリズム事業準備室を設立、19年10月インテージテクノスフィアとシーシーエスが業務提携した。
SBIインベストメントと共同設立のINTAGE Open Innovation Fundは、パーソナルAI「al+」開発のオルツ、WEBリサーチのリサーチ・アンド・イノベーション、IoTデータ流通プラットフォームの米EverySense、訪日外国人向けショッピングサポートアプリ「Payke」のPaykeなど、19年10月時点で合計21社に対して約23.6億円を投資している。
■20年6月期(決算期変更で15ヶ月決算)増配予想
決算期を3月から6月に変更し、経過期間となる20年6月期(15ヶ月決算)連結業績予想は、売上高が710億円、営業利益が48億40百万円、経常利益が47億50百万円、純利益が31億50百万円としている。配当予想は年間30円としている。実質増配予想となる。
12ヶ月分(19年4月~20年3月)の連結業績予想については、売上高が19年3月期(12ヶ月決算)比9.3%増の590億円、営業利益が6.6%増の45億50百万円、経常利益が6.8%増の45億円、純利益が4.9%増の30億円としている。各セグメントとも伸長して増収増益予想である。
第3四半期累計は、売上高が前年同期比5.3%増の389億17百万円、営業利益が3.3%増の23億67百万円、経常利益が1.0%増の22億76百万円、純利益が4.8%減の15億02百万円だった。
消費財・サービス分野のマーケティング支援事業は、主力のパネル調査が堅調に推移して3.6%増収だが、新サービス開発費増加などで1.8%減益だった。ヘルスケア分野のマーケティング支援事業は、カスタムリサーチや一般用医薬品パネル調査の好調で5.6%増収だが、CRO事業とプロモーション事業の不振で10.7%減益だった。ビジネスインテリジェンス事業はインテージテクノスフィアの好調やエヌ・エス・ケイの子会社化などで12.6%増収、92.2%増益だった。
通期(15ヶ月決算)の事業別営業利益の計画は、消費財・サービス分野のマーケティング支援事業が22億60百万円、ヘルスケア分野のマーケティング支援事業が19億円、ビジネスインテリジェンス事業が6億80百万円としている。第3四半期累計は概ね順調だった。通期ベースでも収益拡大を期待したい。
■株主優待は毎年12月末の株主対象に変更
なお決算期変更に伴って株主優待制度の基準日も変更する。従来の毎年9月30日対象から、毎年12月31日現在の1単元(100株)以上保有株主を対象として実施(詳細は会社HP参照)する。21年6月期から変更し、20年6月期については従来の9月30日対象で実施する。
■株価は調整一巡
株価は上値を切り下げる形だが、調整一巡して出直りを期待したい。2月13日の終値は875円、前期実績連結PBR(前期実績連結BPS699円51銭で算出)は約1.3倍、時価総額は約354億円である。(日本インタビュ新聞社アナリスト水田雅展)