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夢真ホールディングスは調整一巡、20年9月期大幅増益予想で1Q順調
- 2020/2/18 05:17
- アナリスト水田雅展の銘柄分析
夢真ホールディングス<2362>(JQ)は、建設技術者派遣や製造・IT業界向けエンジニア派遣を展開している。20年9月期大幅増益予想(通期決算からIFRSを任意適用、日本基準19年9月期実績との比較)である。第1四半期(日本基準)は大幅営業増益と順調だった。通期も収益拡大を期待したい。株価は上値を切り下げる形だが、調整一巡して出直りを期待したい。
■建設技術者派遣を主力にエンジニア派遣も展開
建設技術者(建設現場の施工管理技術者)派遣を主力として、製造・IT業界向けエンジニア派遣、その他(人材紹介、フィリピン現地人材への日本語教育、ベトナム現地人材の採用支援、ITエンジニア育成等)も展開している。なお19年10月純粋持株会社体制に移行した。
19年9月期の売上高構成比は建設技術者派遣68%、エンジニア派遣29%、その他2%、期末の建設技術者数は6099人、エンジニア数は3640人だった。なお19年12月にはグループ稼働人数が9000名を突破した。20年9月期中にグループ稼働人数1万名を目指している。
M&Aも積極活用している。19年4月ITエンジニア派遣のインフォーメーションポートを子会社化、社会人向けオンラインプログラミング学習サービスの侍を子会社化、19年6月子会社の夢テクノロジーがシステム開発のBlueMemeと業務提携、19年7月ITエンジニア派遣のガレネットを子会社化、19年10月夢テクノロジーが外国人人材受け入れ制度における登録支援機関の認定を受けた。
■20年9月期大幅増益予想で1Q順調
20年9月期の連結業績予想(第1四半期~第3四半期は日本基準、通期決算からIFRSを任意適用)は、売上高が630億円、営業利益が80億円、親会社所有者帰属当期利益が54億円としている。配当予想は19年9月期と同額の35円(第2四半期末15円、期末20円)である。なおセグメント区分を建設技術者派遣および付随事業、エンジニア派遣および付随事業、その他とする。
日本基準19年9月期実績との比較で20.0%増収、2.2倍最終増益となる。需要が高水準に推移し、稼働人数増加、稼働率上昇、単価上昇、採用効率化などで大幅増収増益見込みとしている。前期の採用投資の収益化やグループ企業の連携も推進する。
セグメント別計画は、建設技術者派遣の売上高が14.5%増の410億円、利益が27.0%増の75億円、期末在籍人数が11.5%増の6800人、エンジニア派遣の売上高が35.1%増の208億円、利益が9.0倍の12億円、期末在籍人数が9.9%増の4000人としている。収益拡大を期待したい。
第1四半期(日本基準)は、売上高が前年同期比27.6%増の150億84百万円、営業利益が23.0%増の15億25百万円、経常利益が22.4%増の15億42百万円、純利益が14.5%減の7億28百万円だった。純利益は法人税等の増加で減益だが、技術者の増員、派遣単価の上昇、M&A効果などで大幅増収・営業増益だった。
建設技術者派遣は19.1%増収で34.0%増益、エンジニア派遣は44.3%増収だが売上原価の増加で48.1%減益、その他は3.8倍増収だがのれん増加で赤字拡大した。期末技術者数は建設技術者派遣が12.0%増の6078人、エンジニア派遣が36.2%増の3703人だった。
第1四半期の進捗は概ね計画水準としている。通期も収益拡大を期待したい。
■21年9月期営業利益100億円目標
中期経営計画(19年9月期~21年9月期)では、目標値に21年9月期売上高762億円、営業利益100億円、純利益68億円を掲げている。株主還元策は18年9月期以降、1株当たり配当額35円以上を維持する。ROEは30%以上を目指す。
セグメント別には、建設技術者派遣の売上高580億円、営業利益80億円、期末技術者数7800人、エンジニア派遣の売上高250億円、営業利益18億円、期末技術者数5500人としている。
■株主優待制度は9月末の株主対象
株主優待制度は毎年9月30日時点の3単元(300株)以上保有株主を対象としている。保有株式数に応じて贈呈されるポイントを、特設サイト内の商品・サービスと交換(詳細は会社HP参照)する。
■株価は調整一巡
株価は上値を切り下げる形だが、調整一巡して出直りを期待したい。2月17日の終値は844円、今期予想連結PER(会社予想連結EPS70円59銭で算出)は約12倍、今期予想配当利回り(会社予想35円で算出)は約4.1%、前期実績連結PBR(前期実績連結BPS155円75銭で算出)は約5.4倍、時価総額は約665億円である。(日本インタビュ新聞社アナリスト水田雅展)