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イワキは上値試す、20年11月期増収増益予想
- 2020/2/19 06:46
- アナリスト水田雅展の銘柄分析
イワキ<8095>(東1)は医薬品・医薬品原料・表面処理薬品を主力とする専門商社である。医薬品を中心としたヘルスケア・ファインケミカル企業集団を目指している。20年11月期は増収増益・4期連続増配予想としている。収益拡大を期待したい。株価は1月の昨年来高値圏から反落したが、自律調整を交えながら上値を試す展開を期待したい。
■医薬品・医薬品原料・表面処理薬品を主力とする専門商社
医薬品・医薬品原料・表面処理薬品を主力とする専門商社である。子会社の岩城製薬(医薬品)やメルテックス(表面処理薬品)のメーカー機能を強化し、医薬品を中心としたヘルスケア・ファインケミカル企業集団を目指している。
19年11月期の売上構成比は、医薬・FC(Fine Chemical)事業(医薬品原料の製造販売、医薬品の製造販売、体外診断薬・研究用試薬・医療機器の販売)が40%、HBC(Health & Beauty Care)事業(化粧品原料・機能性食品原料の販売、一般用医薬品・関連商品の卸売、化粧品通信販売)が39%、化学品事業(表面処理薬品・電子工業薬品・化成品の製造販売、表面処理設備の製造販売)が12%、食品事業(食品原料の製造販売)が7%、その他が2%だった。なお動物用医薬品卸売の連結子会社2社(ホクヤク、エイ・エム・アイ)は19年9月譲渡した。
20年11月期からセグメント区分を、ファインケミカル事業(医薬品原料の製造販売)、医薬事業(医薬品の製造販売、医療機器の販売)、HBC・食品事業(化粧品原料の販売、一般用医薬品および関連商品の卸売、化粧品通信販売、機能性食品原料の販売、食品原料の販売)、化学品事業(表面処理薬品の製造販売、プリント配線板等製造プラントの製造販売)とする。
■中長期ビジョンで売上高1000億円以上目指す
中期的な事業基盤強化と収益拡大に向けて、医薬品事業での開発・受託の拡大、自社企画商品の開発強化、医薬品原料事業における市場シェア拡大、海外サプライヤーとの連携強化、岩城製薬の生産能力増強と新製品開発、メルテックスの新製品拡販、海外展開強化などを推進している。
中期経営計画(ローリング方式、20年11月期~22年11月期)では目標数値に、22年11月期売上高750億円、営業利益32億円、ROIC8.5%を掲げている。また創業111周年(25年11月期)に向けた中長期ビジョンでは、目標として連結売上高1000億円以上、NO.1マーケットシェア、ROIC10%以上を掲げている。配当方針は、安定的かつ業績連動性を持たせた「純資産配当率(DOE)下限1.5%で連結配当性向30%目途」としている。
20年1月には、医療用後発医薬品・一般用医薬品開発の前田薬品工業への資本参加、および医薬品CMC研究・製造受託のスペラファーマの子会社化(20年3月予定)を発表した。
■20年11月期増収増益・4期連続増配予想
20年11月期の連結業績予想は、売上高が19年11月期比3.8%増の640億円、営業利益が3.7%増の22億円、経常利益が3.5%増の24億円、純利益が10.9%増の17億円としている。過去最高の売上、利益を目指す。収益拡大を期待したい。配当予想は1円増配の14円(第2四半期末7円、期末7円)としている。4期連続増配である。
■株主優待制度は19年11月期末から導入
株主優待制度は19年11月期末から導入した。毎年11月末時点で100株(1単元)以上を継続して1年以上保有株主を対象として、グループ化粧品詰め合わせセットなど(詳細は会社HP参照)を贈呈する。
■株価は上値試す
株価は1月の昨年来高値圏から反落したが、自律調整を交えながら上値を試す展開を期待したい。2月18日の終値は498円、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS51円95銭で算出)は約10倍、今期予想配当利回り(会社予想の14円で算出)は約2.8%、前期実績連結PBR(前期実績の連結BPS624円09銭で算出)は約0.8倍、時価総額は約172億円である。(日本インタビュ新聞社アナリスト水田雅展)