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うかいは調整一巡、20年3月期営業増益予想で3Q累計進捗率順調
- 2020/2/21 04:06
- アナリスト水田雅展の銘柄分析
うかい<7621>(JQ)は高級和食・洋食料理店を主力としている。20年3月期営業増益予想である。第3四半期累計は台風19号による臨時休業などの影響で2桁営業減益だった。第4四半期は新型肺炎感染拡大の影響に注意必要となるが、第3四半期累計の進捗率が概ね順調であり、通期ベースで収益拡大を期待したい。株価は反発力の鈍い展開だが、調整一巡して出直りを期待したい。
■高級和食・洋食料理店が主力
高級和食・洋食料理店の事業本部(和食事業、洋食事業、物販事業)を主力に、文化事業(箱根ガラスの森美術館)も展開している。19年3月期の売上高構成比は事業本部91%(和食42%、洋食42%、物販7%)、文化事業9%だった。収益面では第3四半期の構成比が高い特性がある。
18年3月東京・六本木ヒルズに、鉄板料理「六本木うかい亭」と割烹料理「六本木 kappou ukai」の2店舗を同時オープンした。19年4月、西日本で初の常設店舗となる「アトリエうかい 阪急うめだ本店」を新規出店した。
海外は、17年11月台湾・高雄市のホテル「シルクスクラブ」内に1号店「うかい亭 高雄」をグランドオープン、19年1月台湾・台北市の商業施設「微風南山」内に2号店「ザ・ウカイ・タイペイ」をオープンした。
成長戦略では人材の確保・育成、ブランドの研鑽、物販事業の成長促進、国際的なブランド発信の4つ課題を掲げ、さらなる成長に向けた強固な経営体質の確立に取り組んでいる。数値目標には、21年3月期売上高145億16百万円、営業利益5億50百万円を掲げている。
■20年3月期営業増益予想だが下振れ注意、21年3月期収益拡大期待
20年3月期業績(非連結)予想は、売上高が19年3月期比2.1%増の142億03百万円、営業利益が22.7%増の2億80百万円、経常利益が30.1%増の2億56百万円、純利益が35.7%増の1億31百万円としている。配当は19年3月期と同額の18円(期末一括)である。
店舗設備改修・補修、人材確保・成長に向けた費用が発生するが、それぞれの店舗が持つ独自の魅力を活かした企画・イベント・プロモーションを積極推進して増収増益予想としている。
第3四半期累計は、売上高が前年同期比0.2%減の106億42百万円、営業利益が22.2%減の2億04百万円、経常利益が21.0%減の1億81百万円、純利益が16百万円の赤字(前年同期は1億28百万円の黒字)だった。台風19号による臨時休業の影響、人材関連費用の増加などで2桁営業減益だった。特別損失には台風19号で被害を受けた建物等の災害損失を計上した。
なお、被災に伴う復旧工事は途中であり、災害損失額は今後変動する可能性がある。また、被災した資産には保険を付保されているが、保険金額が確定していないことから第3四半期累計には計上しておらず、保険金額が確定した時点で計上するとしている。
第3四半期累計の進捗率は売上高が74.9%、営業利益が72.9%である。第4四半期は新型肺炎感染拡大の影響に注意必要となるが、第3四半期累計の進捗率が概ね順調であり、通期ベースで収益拡大を期待したい。
なお月次売上高速報(前年比)によると、20年1月は全社合計101.7%、既存店98.0%だった。全社合計は5ヶ月ぶりの前年比プラス、既存店は5ヶ月連続の前年比マイナスだった。
■株主優待制度は毎年9月末の株主対象
株主優待制度は毎年9月末時点の1単元(100株)以上保有株主を対象として、保有株式数に応じて優待券などを贈呈(詳細は会社HP参照)している。
■株価は調整一巡
株価は反発力の鈍い展開だが、調整一巡して出直りを期待したい。2月20日の終値は3450円、今期予想PER(会社予想EPS25円02銭で算出)は約138倍、今期予想配当利回り(会社予想の18円で算出)は約0.5%、前期実績PBR(前期実績BPS974円76銭で算出)は約3.5倍、時価総額は約181億円である。(日本インタビュ新聞社アナリスト水田雅展)