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ラ・アトレは反発の動き、20年12月期減益予想だが中期成長期待
- 2020/2/25 06:40
- アナリスト水田雅展の銘柄分析
ラ・アトレ<8885>(JQ)は、新築分譲マンションなどの新築不動産販売、リノベーションマンションなどの再生不動産販売を主力として、周辺ビジネスや海外展開も強化している。19年12月は計画超の大幅増益だった。20年12月期は反動などで大幅減益予想だが、中期成長を期待したい。株価は急落したが、売り一巡して反発の動きを強めている。出直りを期待したい。
■新築不動産販売、再生不動産販売が主力
新築分譲マンションなどの新築不動産販売、リノベーションマンションなどの再生不動産販売を主力として、不動産事業を展開している。なお20年7月1日付で株式移転によって純粋持株会社LAホールディングスに移行予定(新設の持株会社が東証JASDAQ市場に上場予定)である。
19年12月期セグメント別売上構成比は新築不動産販売43%、再生不動産販売52%、不動産管理事業4%、その他0%、営業利益構成比は新築不動産販売48%、再生不動産販売39%、不動産管理事業9%、その他4%だった。物件引き渡し数・時期によって変動しやすい収益特性がある。
■周辺ビジネスや海外展開への取り組みを強化
中期経経営計画では、目標数値に22年12月期売上高159億円、営業利益27億40百万円、経常利益23億円、純利益16億円を掲げている。重点施策として安定した財務基盤の強化、グループ経営基盤の強化、経営指標の再構築を推進する。
新築不動産販売では成長ドライバーの収益不動産開発として、都市型商業ビル開発AGシリーズやホテル開発などプロジェクト規模拡大を推進する。再生不動産販売では1億円以上のプレミアムリノベーションを価格帯別にシリーズ化し、販売拡大を推進する。不動産賃貸では保有ポートフォリオの増強および質的向上を推進する。
なお周辺ビジネスへの取り組みでは、17年1月合弁会社ラ・アトレペイメントを設立して家賃保証事業に参入、17年6月独立系投資銀行ストームハーバー証券と業務協力覚書を締結、18年3月アクロディア<3823>およびファイバーゲート<9450>とIoTを活用した不動産開発に関する業務協力覚書を締結、19年10月エムジーホーム<8891>および同社の子会社アーキッシュギャラリーと業務提携している。
海外はカンボジアの子会社がプノンペンで、日系上場企業として初となる高級コンドミニアム開発プロジェクトを推進している。20年12月期に竣工・引き渡し予定である。
■20年12月期大幅減益予想
19年12月期の連結業績は、売上高が18年12月期比51.1%増の116億69百万円で、営業利益が90.7%増の22億82百万円、経常利益が2.2倍の20億33百万円、純利益が2.2倍の13億79百万円だった。配当は36円増配の50円(期末一括)とした。
上方修正値を上回る計画超の大幅増益だった。新築不動産販売(57.2%増収)の都市型商業ビル開発AGシリーズおよび土地企画販売の引き渡し、再生不動産販売(62.0%増収)のリノベーションマンションの引き渡しが牽引した。
20年12月期の連結業績予想は、売上高が19年12月期比7.1%増の125億円、営業利益が29.0%減の16億20百万円、経常利益が36.1%減の13億円、純利益が34.7%減の9億円としている。配当予想は未定だが、配当の基本方針を従来の配当性向10%以上20%目標から、20年12月期以降は20%以上30%目標に変更する。
20年12月期は計画超だった19年12月期の反動などで大幅減益予想だが、中期成長を期待したい。
■株主優待制度は年2回(6月末と12月末)実施
株主優待制度は年2回、毎年6月末と12月末を基準日として実施している。なお19年12月末基準から株主優待内容を変更(詳細は会社HP参照)した。
■株価は売り一巡して反発の動き
株価は急落したが、売り一巡して反発の動きを強めている。出直りを期待したい。2月21日の終値は1004円、今期予想連結PER(会社予想連結EPS170円62銭で算出)は約6倍、前期実績連結PBR(前期実績連結BPS854円63銭で算出)は約1.2倍、時価総額は約53億円である。(日本インタビュ新聞社アナリスト水田雅展)