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トーセは底値圏、中期的に収益拡大期待
- 2020/2/28 06:58
- アナリスト水田雅展の銘柄分析
トーセ<4728>(東1)は家庭用ゲームソフト開発・制作請負の専業最大手である。20年8月期は将来の飛躍に備えるための先行投資負担で減益予想としているが、中期的に収益拡大を期待したい。株価は地合い悪も影響して軟調展開だが、ほぼ底値圏だろう。
■家庭用ゲームソフト開発・制作請負の専業最大手
家庭用ゲームソフト開発・制作請負の専業最大手で、デジタルエンタテインメント事業(ゲームソフト関連、モバイルコンテンツ関連、パチンコ・パチスロ関連などデジタルコンテンツの企画・開発・運営の受託)、その他事業(SI事業、家庭用カラオケ楽曲配信事業、コンサート事業やクレーンゲーム事業などの新規事業)を展開している。
収益は開発業務の進行に合わせて受け取る開発売上、コンテンツ配信後の運営に伴う運営売上、コンテンツ販売数量に基づくロイヤリティ売上である。大型案件の開発受託の有無や開発完了・売上計上時期などによって変動しやすい特性がある。またプロジェクトの大型化に伴って開発期間が長期化する傾向を強めている。
複雑化・多様化するゲーム市場において、豊富なパイプライン展開を可能とする多彩な技術ポートフォリオ、長年の実績とノウハウに基づく信用力、開発売上とストック型の運営売上を持つ安定的なビジネスモデルを特徴としている。
■20年8月期減益予想だが、中期的に収益拡大期待
20年8月期の連結業績予想は、売上高が19年8月期比3.7%減の51億52百万円、営業利益が37.7%減の2億26百万円、経常利益が36.1%減の2億58百万円、純利益が42.9%減の1億42百万円としている。配当予想は19年8月期と同額の25円(第2四半期末12円50銭、期末12円50銭)である。
第1四半期は売上高が前年同期比13.2%増の9億65百万円、営業利益が41百万円の黒字(前年同期は58百万円の赤字)、経常利益が55百万円の黒字(同35百万円の赤字)、純利益が30百万円の黒字(同34百万円の赤字)だった。
デジタルエンタテインメント事業は、ゲームソフト関連が大型運営業務終了で減収だが、モバイルコンテンツ関連とパチンコ・パチスロ関連の増収効果で黒字化した。その他事業はSI事業の好調で黒字化した。
第1四半期は黒字化と順調だったが、通期は次世代ゲーム機やクラウドゲームへの対応など、将来の飛躍に備えるための先行投資負担で減益予想としている。中期的に収益拡大を期待したい。
■株価は底値圏
株価は地合い悪も影響して軟調展開だが、ほぼ底値圏だろう。2月27日の終値は848円、今期予想連結PER(会社予想連結EPS18円83銭で算出)は約45倍、今期予想配当利回り(会社予想25円で算出)は約2.9%、前期実績連結PBR(前期実績連結BPS780円70銭で算出)は約1.1倍、時価総額は約66億円である。(日本インタビュ新聞社アナリスト水田雅展)