【編集長の視点】アサンテは連日の昨年来安値も7期連続の増配の権利取りチャンス
- 2020/3/6 08:20
- 編集長の視点
アサンテ<6073>(東1)は、前日5日に16円安の1701円と3日続落して引け、連日の昨年来安値更新となった。日経平均株価が、4日の米国株価の大幅反発の流れを受け299円高と高寄りしたが、買い一巡後は上値が重くなり「寄り付き天井」となる不安定な動きとなったことから、同社株にも手仕舞い売りが続いた。ただ同社は、2013年3月の新規株式公開(IPO)以来、今2020年3月期まで7期連続の増配を予定しており、決算月に入ったここは、逆に連続増配の配当権利取りチャンスとなりそうだ。今2020年3月期業績が、連続して過去最高を更新予想にあることも手掛かりに、下げ過ぎ修正の底値買いも再燃しよう。
■IPO以来の増配が続き今3月期業績も連続して過去最高
同社の今3月期配当は、年間60円(前期実績54円)と増配が予定されている。株主への利益還元を経営の最優先事項として安定的な配当の維持を基本とし、企業体質の強化と内部留保の充実などを総合的に勘案して利益配分しているもので、2013年3月19日にIPOした2013年3月期の年間配当20円から今期が7期連続で増配となるもので、この7年間で配当は3倍となる。
一方、 今2020年3月期業績は、売り上げ154億3000万円(前期比6.4%増)、営業利益26億1500万円(同14.4%増)、経常利益26億2800万円(同13.6%増)、純利益17億5200万円(同15.6%増)と予想され、純利益は、前期の過去最高を連続更新する。主力の白蟻防除事業では、昨年9月の阪神営業所開設で西日本エリアの営業活動を拡充し、JAとの提携強化による既存エリアの深耕や積極的なテレビCM、8頭に増加した探知犬の活用による認知度の向上、潜在需要の顕在化を進め、さらに新規事業の地震対策事業を推進する事業領域の多角化などが寄与する。今年2月5日に開示した今期第3四半期(2019年4月~12月期、3Q)業績は、前年同期比で微減益となったが、3月期通期予想業績に対して80%超の利益進捗率を示しており、通期業績の連続過去最高更新の確度が高まったと評価されている。
■配当利回りは3.5%と市場平均を上回りPER11倍修正の値幅効果も
株価は、サッカーJ1の川崎フロンターレとのスポンサー契約や阪神営業所開設で上場来高値2451円まで買い進まれ、前期期末の増配権利取りでも昨年来高値2259円をつけ、2000円大台固めを続けてきたが、新型肺炎の感染拡大による世界同時株安に巻き込まれて昨年来安値1701円へ突っ込んだ。この安値圏では、日替わりで底打ちを示唆する陽線包み足と戻り売りの厚さを示唆する陰線包み足を示現して大底圏特有の動きとなっている。PERが11倍台、25日移動平均線からは9%超もマイナスかい離し売られ過ぎで配当利回りは3.52%と市場平均を上回っており、配当権利取りとともに底上げの値幅効果も期待できそうだ。(本紙編集長・浅妻昭治)