- Home
- アナリスト水田雅展の銘柄分析
- フォーカスシステムズは売り一巡、20年3月期増益予想
フォーカスシステムズは売り一巡、20年3月期増益予想
- 2020/3/9 05:59
- アナリスト水田雅展の銘柄分析
フォーカスシステムズ<4662>(東1)は、公共関連・民間関連のシステム構築・保守・運用を主力として、セキュリティ機器関連事業も展開している。20年3月期増収増益予想である。収益拡大を期待したい。株価は地合い悪の影響で昨年来安値を更新したが、売り一巡して出直りを期待したい。
■システム構築・保守・運用を主力としてセキュリティ機器関連事業も展開
公共関連・民間関連のシステム構築・保守・運用・管理サービスを主力として、セキュリティ機器関連事業も展開している。収益面では年度末にあたる第4四半期(1月~3月)の構成比が高い特性がある。また財務面では実質無借金経営である。
19年3月期の事業別売上高構成比は公共関連事業32%、民間関連事業62%、セキュリティ機器関連事業6%だった。顧客別にはNTTデータ<9613>関連、日本IBM関連、TISインテック関連、ソフトバンク<9984>関連、沖電気<6703>関連を主力としている。
中期成長に向けた重点戦略として、需要が潤沢なインフラビジネス分野における技術者の育成、ノウハウ蓄積にも繋がる運用系業務分野におけるシェア拡大、業務アプリケーション分野における専門技術への取り組み強化による対応領域拡大を推進している。優秀な人材確保への採用投資、現社員に高付加価値(最先端技術の習得やマネジメントスキル向上)を付けるための技術者への教育投資、ガバナンス強化を目的とした社内管理体制への人的投資も推進する。
19年2月RPA分野で米UiPath社の日本法人と開発リソースパートナー契約を締結、19年3月米MarkLogic社とパートナー契約を締結、筑波大学と三次電池の実装に関する共同研究を開始、19年4月筑波技術大学と聴覚障害者の職域拡大や環境改善を目指して複数人との会話におけるリアルタイム字幕表示に関して共同研究を開始、19年7月臨床試験の画像判定をAI化するシステム開発に向けてマイクロン社と協業開始した。
19年9月Google Cloudパートナープログラムにおいてパートナー認定を取得、19年10月大阪工業大学と効率的なAI教師データ作成の開発に着手、19年12月名古屋工業大学大学院工学研究科およびフタバ産業<7241>と協力してIoT機器やLPWA技術を活用した工場内物流効率化に向けた実証実験を開始した。202月には相転移物質利用による三次電池の高電圧化に成功した。
■20年3月期増益予想
20年3月期業績(非連結)予想は売上高が19年3月期比1.6%増の218億円、営業利益が3.8%増の14億20百万円、経常利益が3.2%増の14億20百万円、純利益が6.4%増の9億30百万円としている。配当予想(8月9日に令和記念配当5円実施で上方修正)は5円増配の25円(期末一括)である。
第3四半期累計は、売上高が前年同期比4.5%増の164億02百万円、営業利益が0.6%増の10億63百万円、経常利益が2.7%増の10億88百万円、純利益が5.8%増の7億34百万円だった。需要が高水準に推移して増収増益と順調だった。
第3四半期累計の進捗率は売上高が75.2%、営業利益が74.9%と概ねである。通期は人材確保・育成に向けた採用・教育コストの増加などで微増益にとどまる予想だが、収益拡大を期待したい。
■株主優待制度は毎年3月末の2単元以上保有株主対象
株主優待制度は毎年3月末現在の2単元(200株)以上保有株主を対象として実施(詳細は会社HP参照)している。
■株価は売り一巡
株価は地合い悪の影響で昨年来安値を更新したが、売り一巡して出直りを期待したい。3月6日の終値は767円、今期予想PER(会社予想EPS61円81銭で算出)は約12倍、今期予想配当利回り(会社予想の25円で算出)は約3.3%、前期実績PBR(前期実績BPS605円04銭で算出)は約1.3倍、時価総額は約125億円である。(日本インタビュ新聞社アナリスト水田雅展)