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ヨコレイは売られ過ぎ感、20年9月期増益予想
- 2020/3/10 05:20
- アナリスト水田雅展の銘柄分析
ヨコレイ(横浜冷凍)<2874>(東1)は冷蔵倉庫事業と食品販売事業を展開している。冷蔵倉庫事業は低温物流サービスの戦略的ネットワーク構築、食品販売事業はノルウェーHI社と提携して業容拡大戦略を推進している。20年9月期増益予想である。収益拡大を期待したい。株価は地合い悪で昨年来安値を更新したが、売られ過ぎ感を強めている。反発を期待したい。
■冷蔵倉庫事業と食品販売事業を展開
冷蔵倉庫事業と食品販売事業を展開している。19年9月期セグメント別売上高構成比は冷蔵倉庫事業20%、食品販売事業80%、その他0%、営業利益(連結調整前)構成比は冷蔵倉庫事業85%、食品販売事業14%、その他1%である。
収益面では、冷蔵倉庫事業は倉庫稼働率、食品販売事業は水産品・畜産品・農産品の市況や季節要因の影響を受ける特性がある。中期成長戦略として収益性の一段の強化を推進している。
冷蔵倉庫事業は積極投資で低温物流サービスの戦略的ネットワークを構築し、新物流センターが順次稼働して収益拡大に貢献している。20年2月つくば物流センター(仮称)竣工予定で、完成後は国内外合計収容能力が100万トンを突破する。また福岡市アイランドシティ港湾関連用地4工区E区画を取得している。海外はASEAN地域へ積極展開し、子会社タイヨコレイの保管収容能力はタイ国内トップシェアである。
食品販売事業は、子会社アライアンスシーフーズ(ASF社)がノルウェーの大手水産加工会社HI社と提携し、ノルウェーサーモン・トラウトの養殖・加工・販売拡大戦略を推進している。20年1月には食品販売事業の完全子会社アライアンスシーフーズとクローバートレーディングを吸収合併した。
■20年9月期増益予想
20年9月期の連結業績予想は、売上高が19年9月期比2.2%増の1430億円、営業利益が13.1%増の54億円、経常利益が21.3%増の60億円、純利益が15.2%増の39億円としている。配当は19年9月期と同額の23円(第2四半期末11円50銭、期末11円50銭)としている。
第1四半期は売上高が前年同期比15.5%減の316億67百万円、営業利益が5.0%減の11億56百万円、経常利益が1.9%減の13億33百万円、純利益が15.9%減の7億64百万円だった。冷蔵倉庫事業が保管料収入増加で0.4%増収、8.7%増益と堅調だが、食品販売事業が水産品相場下落などで19.4%減収、赤字化した。
通期は冷蔵倉庫事業が順調に推移し、食品販売事業の収益性改善も寄与して増益予想である。冷蔵倉庫事業は2.8%増収で0.8%増益、食品販売事業は2.0%増収で67.0%増益の計画としている。第1四半期は減益だったが、通期ベースで収益拡大を期待したい。
■株主優待は毎年9月末の株主対象
株主優待制度は毎年9月30日現在の株主を対象として、保有株式数に応じて水産品などを贈呈(詳細は会社HP参照)している。
■株価は売られ過ぎ感
株価は地合い悪で昨年来安値を更新したが、売られ過ぎ感を強めている。反発を期待したい。3月9日の終値は788円、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS66円54銭で算出)は約12倍、今期予想配当利回り(会社予想23円で算出)は約2.9%、前期実績連結PBR(前期実績の連結BPS1336円12銭で算出)は約0.6倍、時価総額は約467億円である。(日本インタビュ新聞社アナリスト水田雅展)