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エスプールは売られ過ぎ感、20年11月期は新型コロナの影響だが中期成長
- 2020/3/16 06:00
- アナリスト水田雅展の銘柄分析
エスプール<2471>(東1)はロジスティクスアウトソーシング、障がい者雇用支援・就労移行支援サービス、コールセンター業務などの人材サービス事業を展開している。20年11月期大幅増収増益予想である。新型コロナウイルス感染拡大の一時的影響が警戒されるが、中期成長基調に変化はないだろう。株価は1月の上場来高値から半値割れ水準まで急落したが、売られ過ぎ感を強めている。反発を期待したい。
■ロジスティクス、障がい者雇用支援、コールセンターなど人材サービス事業
ビジネスソリューション事業(障がい者雇用支援サービス、ロジスティクスアウトソーシングサービス、セールスサポートサービス、新規事業)、および人材ソリューション事業(コールセンター向け派遣、販売・営業スタッフ派遣、ストアスタッフ派遣など)を展開している。
19年11月期の売上構成比はビジネスソリューション事業が29%、人材ソリューション事業が71%、営業利益構成比(連結調整前)はビジネスソリューション事業が56%、人材ソリューション事業が44%だった。
障がい者雇用支援サービス「わーくはぴねす農園」は19年11月期末時点で18農園を展開し、利用企業数が259社、管理区画数が2961区画、就業障がい者数が1480名となった。従来型の農園はビニールハウス型だが、昨今の台風など自然災害の影響を踏まえ、また屋外作業に適さない方にも就労機会を提供することを目的として、20年11月期から屋内型農園のサービスも開始する。20年2月には屋内型新農園を東京都板橋区に初開設(20年6月予定)すると発表した。3月2日には千葉県船橋市に全国19番目の「わーくはぴねす農園」を開設した。
採用支援サービス「OMUSUBI」は分社化してエスプールリンクが事業展開する。20年2月にはエスプールリンクが、クラウド型OJTシステムのClipLineと業務提携した。
なお営業利益の季節特性として、障がい者雇用支援サービスの売上が伸びる第2四半期、および第4四半期の構成比が高い傾向がある。また20年11月期から配当の基本方針を連結配当性向20%に変更し、株主還元を強化する。3月2日には経済産業省が認定する健康経営優良法人2020(ホワイト500)に選定されたと発表している。
■20年11月期大幅増収増益予想
20年11月期連結業績予想は、売上高が19年11月期比17.8%増の206億36百万円、営業利益が24.7%増の20億円、経常利益が22.3%増の19億88百万円、純利益が19.0%増の12億88百万円としている。配当予想は1円30銭増配の3円30銭(期末一括)で連続増配となる。
なおセグメント別計画は、ビジネスソリューション事業の売上高が23.2%増の62億14百万円(障がい者雇用支援サービスが28%増収、ロジスティクスアウトソーシングサービスが9%増収、採用支援サービスが37%増収など)で営業利益が19.4%増の18億08百万円、人材ソリューション事業の売上高が15.9%増の145億円(コールセンター業務が14%増収、店頭販売支援が20%増収など)で営業利益が19.1%増の14億10百万円としている。
障がい者雇用支援サービスでは、農園新設4~6施設(既存モデル屋外型3~4施設、第3四半期以降に東京23区中心に展開する新モデル屋内型1~2施設)、設備販売1026区画(既存モデル屋外型738区画、新モデル屋内型288区画)を計画している。
20年11月期は新型コロナウイルス感染拡大の一時的影響が警戒されるが、中期成長基調に変化はないだろう。
■株価は売られ過ぎ感
株価(19年10月1日付で株式5分割)は1月の上場来高値から半値割れ水準まで急落したが、売られ過ぎ感を強めている。反発を期待したい。3月13日の終値は495円、今期予想連結PER(会社予想連結EPS16円31銭で算出)は約30倍、今期予想配当利回り(会社予想3円30銭で算出)は約0.7%、前期実績連結PBR(前期実績連結BPS38円42銭で算出)は約13倍、時価総額は約391億円である。(日本インタビュ新聞社アナリスト水田雅展)