巴工業は売り一巡

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 巴工業<6309>(東1)は機械製造販売事業と化学工業製品販売事業を展開している。20年10月期減益予想で第1四半期は減益だった。第2四半期以降は新型ウイルス感染拡大による経済活動収縮の影響が懸念される。21年10月期の収益拡大を期待したい。株価は地合い悪も影響して昨年来安値を更新する展開だが、売り一巡して反発を期待したい。

■機械製造販売事業と化学工業製品販売事業を展開

 遠心分離機械を中心とする機械製造販売事業、合成樹脂や化学工業薬品などを中心とする化学工業製品販売事業を展開している。

 19年10月期のセグメント別売上構成比は機械製造販売事業27%、化学工業製品販売事業73%、営業利益構成比は機械製造販売事業41%、化学工業製品販売事業59%だった。また地域別売上構成比は日本79%、アジア18%、その他3%だった。

 収益面では、機械製造販売事業が設備投資関連のため、第2四半期(2月~4月)および第4四半期(8月~10月)の構成比が高くなりやすい特性がある。

■20年10月期減益予想で1Q減益

 20年10月期連結業績予想は、売上高が19年10月期比8.1%増の447億円、営業利益が5.3%減の22億50百万円、経常利益が5.6%減の22億50百万円、純利益が4.4%減の15億円としている。配当予想は19年10月期と同額の47円(第2四半期末23円50銭、期末23円50銭)である。

 機械製造販売は、海外での機械販売や国内の官需向けの好調で売上高が22.7%増の138億円だが、増加となる機械の利益率が低いため営業利益が21.8%減の7億60百万円の見込みとしている。化学工業製品販売は、化成品分野の紫外線硬化樹脂、機能材料分野および電子材料分野の半導体製造装置向け材料の増加を見込み、売上高が2.6%増の309億円、営業利益が6.1%増の14億90百万円の計画としている。

 第1四半期は、売上高が前年同期比6.3%減の95億24百万円となり、営業利益が9.0%減の5億34百万円、経常利益が9.2%減の5億40百万円、純利益が8.9%減の3億55百万円だった。機械製造販売が1.0%減収、化学工業製品販売が7.7%減収と低調だった。

 第1四半期の進捗率は売上高21.3%、営業利益23.7%である。第2四半期と第4四半期の構成比が高い特性を考慮すれば概ね順調だが、第2四半期以降は新型ウイルス感染拡大による経済活動収縮の影響が懸念される。21年10月期の収益拡大を期待したい。

■22年10月期営業利益26億円目標

 20年1月策定の新中期経営計画では、目標値として22年10月期売上高490億円(機械140億円、化学品350億円)、営業利益26億円(機械9億円、化学品17億円)、経常利益26億円、EBITDA30億円、純利益17億円、ROE(純資産利益率)5.7%を掲げた。

 重点施策としては、海外事業拡大の継続、さらなる収益性向上、環境負荷軽減、資本効率改善、成長に向けた積極投資、働き甲斐のある職場環境の構築と人材育成を推進する方針だ。

■株主優待制度は10月末の株主対象

 株主優待制度は、毎年10月31日現在の1単元(100株)以上保有株主に対して、ワイン(当社関連会社取扱商品)1本を贈呈する。

■株価は売り一巡

 株価は地合い悪も影響して昨年来安値を更新する展開だが、売り一巡して反発を期待したい。3月16日の終値は1554円、今期予想連結PER(会社予想の連結EPS150円33銭で算出)は約10倍、今期予想配当利回り(会社予想の47円で算出)は約3.0%、前期実績連結PBR(前期実績の連結BPS2892円41銭で算出)は約0.5倍、時価総額は約164億円である。(日本インタビュ新聞社アナリスト水田雅展)

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